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【第4回】エコプロと再生板紙構法/「製紙業界」の新たな販路の可能性【スーパーペンギン】
>前回の続き。
スーパーペンギンの竹村です。
エコプロに向けての投稿、4回目。
木工ブースにおける木材廃棄量を限りなくゼロにするために何ができるか。
その手法として、木工ブースにおける「木」の部分を「再生板紙」に「置き換える」というお話をこれまでしました。
そして、実際に「再生板紙」を用いて「木工ブース」のようにブースを作ってみたところ、「行けそうだ」という感触を得た、というのが前回。
〇実際に展示会場内で試験設置をしてみる
実は、前回の投稿のように工場で試験設置をしてみた後、2024年3月に開催された「JAPANSHOP」に出展してみました。この出展では、2小間サイズのブースをほぼ同じ形状で2つ作って会場に並べて設置してみました。下記写真のように、左は完全木工によるブース(これまで通りのブース)、右は「再生板紙」をベースとして、その上に壁紙を貼って仕上げたもの。これら2つのブースを並べて来場者の皆様に比較してもらおうかと思ったのですが・・・・あまりにも同じ過ぎて、来場者さんからは「違いが分からない!」とのお声を多くいただきました。本来、喜ぶべきご意見なのですが、説明をするには若干しづらかったので、今回のエコプロの出展では、この辺は工夫を加えようと考えています。
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それにしても、これまで工場での試作を1回、展示会場での試作を1回行ってみて、今後の展示会における「再生板紙」をベースとしたブースの新構法について大きな可能性を感じることができました。
〇この新構法が一般化した際のメリット
さて、もしこの展示会ブースの新構法「再生板紙構法」が、今後展示会業界内で一般化した場合、どのような変化があるでしょうか。
展示会業界としては、当然木材廃棄量が激減することで、業界としてのサステナブル化が加速します。しかも、展示会企業がこれまで行ってきた様々なエコ対策よりも比較にならないほど大きな変化となるでしょう。単純に計算しても(少なく見積もって)年間2万トンの木材を廃棄している展示会業界です。それが限りなくゼロになることは大きな変化と言えます。
また、それ以上の変化が「製紙業界」にも起こることが考えられます。
再生板紙が展示会ブースの「基本構成素材」となることで、年間に一体どれだけの「再生板紙」がブース素材として消費されることになるでしょう。
展示会は全国各地で毎週のように開催されています。
日本全国での年間推計出展総面積は約200万㎡と言われています。
木工ブースがその中の約半数を占めるとしても、約100万㎡。
これだけのブースに毎回再生板紙が使用されるようになると、再生板紙を製造する産業にも大きな変化、新しい販路が発生することが容易に想像されます。
〇再生板紙を「展示会仕様」にするための課題
ただ、現在の再生板紙はブースを構成する仕様ではなく、製造サイズの幅は400mm程度となっています。展示会ブースでは一般的にW900mmが使用されているため、ブースを構成するには「扱いにくいサイズ」になっているのです。
もし、基本的に製造されるサイズがW900になると、展示会業界にとっても扱いやすいものになるでしょう。
また、展示会ブースで使用するためには「防炎処理」も必要です。これも、標準的に防炎処理を施された仕様のものが出てきたら(現状は、ブース製作時に個々で対応)、多くの設営会社が利用できるようになることでしょう。
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〇「製紙業界」の可能性
このように、現在の再生板紙は展示会ブースに適した仕様になっておらず、どうしてもコスト的には高くなってしまいますが、今後展示会業界としてのニーズが増し、対応する製紙業界の企業が出てくれば、今の日本の社会に新しい流れが生まれてきます。そして、それは非現実的なことではなく、十分実現可能なことなのではないかと感じています。私自身は製紙業界の者ではないので、言い切ることはできません。しかし、今後多くの製紙業界の企業が参入して、今回の展示会ブースの新構法について、展示会系企業と製紙業界企業が検討を進めていってくださることを期待しています。
次回へつづく>