エコプロへの出展に向けて-02/「素材を置き換える」という発想を思いつく
スーパーペンギンの竹村です。
今回は前回の投稿の続き。今回の出展に当たって、これまで辿ってきたところを何となく書いてみようと思います。
展示会における木材廃棄量をゼロにできないだろうか、という課題に対して。本日は、今回出展する新構法を思いつく、という話。
「展示会終了後の木材廃棄をどうにかして削減できないか」
「それも、単なる「削減」ではなく、「ゼロ」にしてしまうことってできないだろうか。」
このことは毎週のように展示会場を歩く中で、常に頭の中にあります。
出展社の方は、多くの方がブースがほぼ出来上がってから会場にお越しになり、会期が終了すると、自社商品の片づけが終わったらそのままお帰りになられます。
しかし、出展社の皆さんが会場内にいらっしゃらないその前後の時間は、木工等の廃棄物が大量に置かれているというのが現実の状況です。
出展社の方であれば、多くても年に数度の展示会出展となるでしょうが、我々業界の者はほぼ毎週の出来事。
毎週毎週、多くの木材を廃棄している状況を展示会場で見ることになるので、否が応でも、この廃棄物問題は考えさせられます。おそらく、展示会業界の方であれば誰もが「この状況をどうにかできないだろうか」と考えていらっしゃることでしょう。
もちろん、展示会業界ではこの状況を何もせず見ているだけではありません。様々な展示会企業が、展示台などを保管し、別の展示会で使いまわしたり、壁面などの再利用部材を使用したり、また使用する木材を間伐材にしたり、などの工夫を行っています。しかし、それでも現場の状況を毎週のように見ていると、削減にも限界があることを感じます。そして、もっと何か根本的に解決できる何かがあるのではないか、と考えさせられます。
では、そもそも木工ブースがなくなればいいではないか、ということになるのですが、それは前回の記事でも記載した通り、現実的とは思えません。では、どのようにすれば大幅に廃棄量を削減できるのか・・・???
そのようなことを漠然と考えながら何年もの時間が流れます。
そんな中で、ある時、あるお客様が、ある企業様をご紹介いただきました。
その企業様は、再生紙を圧縮して板などを製作されている、とのこと。
その他、紙管なども。製紙業の方にはもちろんおなじみの素材です。
これらの素材をどこか、展示会ブースの一部として活用できないだろうかというご相談です。
工場にお伺いし、素材の特徴や、製造過程等を詳しくお聞きしました。
それらを聞いているうちに、
「ブースの一部に使うどころか、これでブースそのものを作ってみてはどうだろう」
「いや、そもそも今の木工の材料をこれに置き換えれば、今のブースをそのまま作れるのではないのか」
「それがうまくいくと、そもそも木工の廃棄量を無くせるのでは・・・・??」
という発想が浮かびます。
そうなんです。
そもそも、木材廃棄量の削減のために、これまでは木工ブースそのものを否定し、木工以外の「他の構法を考える」という観点から考えていたのですが、「木工ブースのブース構築法」はそのままに、「素材だけを置き換え」たら、今のブース構築体制はそのままに、多くの人への影響を最小限にして移行でき、かつ木材廃棄量を限りなく「ゼロ」にできるのではないか。
そう思い至りました。
発想の転換。これって大事ですね。
少し詳しくお伝えしましょう。
「紙のブース」と言えば、段ボールによるブースを思い描く人もいるかもしれません。「Re-Board」などの製品はそれに当たります。(今回、当社の横に出展されています)。
この場合、基本的なスタンスとして、「木工ブース」以外のブース構法を提案している、ということになります。もちろん、この構法も十分「あり」な方法です。ちなみに、当社も以前ブースをフル「Re-Board」で作ったことがありますが、かなりの自由度とデザイン性の実現が可能です。
それに対して、今回思い立った手法は、木工ブースを構成する手法そのものはそのままに「素材を置き換える」という考え方。
つまり、木工ブースでは、木材を加工してブースを構築し、そこに壁紙を貼り、その後文字を貼り、照明を設置して完成させるという手法をとりますが、この「木材を加工」する部分を、「再生板紙を加工して」に、置き換えるというものなのです。
段ボールによるブースとは、同じ「紙由来」でも、根本の発想が異なる考え方です。
このように、素材を置き換えるという発想で構法を考え直せば、廃棄する木材の量を劇的に減らせるようになります。
そして、再生板紙は、もともと古紙から作られた「再生紙」です。
展示会で利用された後も素材再生して数回使えるかもしれませんし、もし廃棄しても何度も再利用した最後の循環なので、そもそもがエコな状況です。
では、イメージはしたものの、思いつきはしたものの、本当に実現できるのか・・。
ここから検証の作業にに入ります。
次回へつづく>