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【第7回】エコプロと再生板紙構法/展示会デザイナーがサステナブル社会を考える【後編】【スーパーペンギン】

>前回の続き

スーパーペンギンの竹村です。
2024年12月4日から6日まで東京ビッグサイト開催されたエコプロ出展に関わるお話。第7回。そして、本エコプロ出展に関するお話は今回で一旦完了です。

東京ビッグサイトなどで行われる商談会としての展示会は、多くの場合開催期間は3日間となります。そして、その準備を行う設営期間は会期前の2日間が一般的。今回の「再生板紙構法」のお披露目に当たっての設営に関しては前回の記事で詳細に記載しました。

最終回となる今回は、会期中の様子をお伝えしましょう。
前回の記事の通り、ブースは無事に出来上がり、12月4日(水)の10:00~無事に会場はオープンしました。
完成したブースは下記の通り。

開催期間。オープン前の様子。
正面。壁紙を貼って仕上げるのは、今回は右半分だけ。左は素材そのままにしています。
ブース、向かって右側側面。配布用のA5カードを設置。こちらから見ると通常の木工ブースと何も変わらない。
ブース、向かって左側。壁紙を貼るのは一部のみ。文字は、素材に直接カッティングシートで施工
ブースの内部は、説明用の敢えて壁面の骨組みを見せる構造に。ここで、今回のブースをどのように構築しているかを説明を行う。これをみると本構法が段ボールによるブースとは根本的に考え方が違うことが理解していただける。

エコプロに出展してみて

12月4日(水)に始まったエコプロ。結果的には、展示会業界の様々な方にお越しいただき、かなりよい反応をいただきました。まだまだ課題はあるものの、木工ブースとほぼ変わらない仕上がりとなることで、受け入れられやすいのだと思います。また、一方で、従来の木工ブースとあまりにも見た目上の差がないため、「環境配慮をしている」というPRでこの構法を採用したとしても、ほとんどの来場者に気づかれないのではないか、といった意見も出ました。
たしかに、現段階では、この構法を採用するとなると、通常の木工ブースよりもコストがかかります。木工ブースに対して同じデザインの再生板紙ブースにすると約1.5倍ほどかかるのです。この金額の差は、素材に対する防炎処理を施すための金額と再生板紙の素材としてのサイズはW400mmとなっていることから、作業やブースの作り上非効率になり、その手間が主な要因。
これらの課題点は、今後展示会業界としての需要が大きくなってくれば、「展示会ブース向けの再生板紙」が製造されるようになり、コストが合ってくるのではないかと予想されます。それまでは、再生板紙でブースをつくるとなると、コスト的には高くなる、と思っていた方がよいでしょう。
そうすると、再生板紙構法が社会に広まる初期段階においては、「環境配慮のPRのために採用する」ということがもっとも分かりやすい活用方法となりそうです。そこで問題となるのが、「見た目が全く同じで分からない」というもの。そのための対策としては、今後業界的に、再生板紙構法を採用したブースには、認証マークなどを付与する、などの仕組みがあってもよいかもしれません。

会期中の様子/全体として好印象で、次回は当社でも採用したいとの設営会社等の声が多かった

エコプロステージへの登壇

今回の出展では、最終日の6日に会場内でセミナー登壇を行いました。
目的は、今後この再生板紙構法を自社で採用しようとする展示会業界関係者の方々に向けて、現状を説明し導入を促すこと。想像以上に多くの方にお越しいただきました。

2024年12月6日に会場内のエコプロステージで解説

本セミナーでは、今後の展示会をつくる展示会ブースの在り方をお伝えし、その流れで再生板紙構法についての現状と課題をお伝えさせていただきました。
本セミナーに参加できなかった展示会業界関係者の方や本構法に興味のある方のために下記にセミナースライドを共有しておきます。

リンク先では、ダウンロードも可能ですので、お役立てください。

展示会業界への呼びかけ

さて、今回のエコプロ出展は終わりましたが、今回展示会業界の皆様へ、そして特に設営会社の皆様へお願いがあります。
次回のエコプロは、2025年12月10日~12日まで開催されます。その会場内のブースを担当される設営会社や代理店、デザイナーの皆様。次回は是非、この再生板紙構法でブースを作ってみてほしいのです。

今回会期中によく質問されたことは、「この構法を採用するときペンギンさんにお願いすればいいですか?」「ペンギンに許可はいりますか?」的な内容でした。
それは一切いりません。各社独自で、この構法を採用し、研究し、広めていってもらえればと思います。当社は、あくまでも「きっかけ」です。まずはやってみる。これが大事だと考えています。
今回、この再生板紙構法のブースを作ってくださった施工会社のアドスペースさんによると、「20分くらい話せば、どの設営会社さんでも(再生板紙構法でブースを)作れるようになりますよ」とのこと。
素材となる再生板紙は、今回素材提供いただいた日本化工機材さんに直接依頼していただいても構いませんし、同じ再生板紙を製造されている会社は全国にまだまだあるはずです。
是非、この構法を推進し、次回のエコプロでは、会場内の様々な場所に再生板紙によるブースがある、そんな光景になればといい、と考えています。

次回のエコプロでは、再生板紙によるブースが多くある、そんな展示会に。

また、出展社の皆様にもお願いです。是非、次回のエコプロでは、この再生板紙にてブースを作ってみてください。詳細は、出展社の皆さんが日頃お付き合いのある設営会社さんに。その際、この再生板紙構法を知らないようでしたら、「詳しくはペンギンに聞いて」とお伝えください。
当社は、展示会業界で横のつながりを積極的につくるようにしていますので、喜んでお伝えいたします。

■次回のエコプロの案内はこちら

■展示会業界交流会のお知らせ
当社は、展示会業界仲間とともに年に3回業界内交流会を主催しています。



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