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エコプロへの出展に向けて-01/展示会における木材廃棄を考える

※本記事はエコプロWEBサイトに投稿した記事を加筆調整して再掲しています。

スーパーペンギン、代表の竹村と申します。
この度、2024年12月4日から6日まで、東京ビッグサイトで開催されるSDGsWeek EXPO 2024「エコプロ2024」に当社として出展いたします。

今回の出展では、展示会における木材廃棄量をゼロにするための「展示会ブースの新構法」を試験設置いたします。会期まで、いくつかに分けて準備の模様や現在考えていることなどをこちらにも記載していこうと思います。

当社は、展示会ブースを専門にデザインする空間デザイン会社です。
ジャンルは問わず、毎週のように東京ビッグサイト・幕張メッセ・インテックス大阪・ポートメッセ名古屋など、日本全国の展示会場で展示会ブースをデザインし、設営会社様に製作していただいています。

今回のエコプロでは、当社として出展をいたします。
本出展でご提案したいのは、木工ブースの利点・良さはそのまま活かしつつ、木材廃棄量をゼロにするための新構法「再生板紙構法」です。
ポイントは「材料の置き換え」。

この「再生板紙構法」については、2024年3月にJAPANSHOPにも出展を行い、その際下記の記事も記載しています。

本記事では、この記事と被ってくるところもありますが、今回のエコプロ出展に向けて、書いていこうと思います。

これまで、展示会業界では木工ブースに代わるブース構築法として、システム部材や段ボールなど様々な素材が提案されてきました。もちろん、それも「あり」だと思います。
しかし、木材廃棄量をゼロにするためには、それだけでは足らない、と以前からずっと考え続けてきました。

展示会終了時、ほとんどの木材は廃棄してしまう

ほとんどの木材を廃棄してしまう「木工ブース」

当社がデザインするブースのほとんどは「木工」によるブースです。
システム部材など、様々な構法がある中で木工ブースを中心に取り扱うのには様々な理由があります。その理由の1つが「寸法自由性」。ミリ単位で調節が可能な木工によるブースは、細かな部分のデザインを調整するのに適した構法となります。

しかし、木工ブースを取り扱う反面、展示会終了時の撤去時の光景には以前から頭を悩ませていました。木工ブースは、撤去時にはそのほとんどの木材をそのまま廃棄してしまうのです。

右側の壁面に使用されている壁面材は再利用された「リースパネル」

もちろん、できるだけ、使いまわしをすることを当社だけでなく様々な展示会関係会社は検討をしています。「リースパネル」と言われるものもそれですし、使える展示台などは保管しておいて別の展示会で再活用を検討します。しかし、それでも、まだまだ多くの木材をそのまま廃棄するという状況は大きくは変わりません。
設営会社の担当者にお聞きしたところ、肌感として8割は破棄しているだろうとのこと。

「木材廃棄量を削減する」

このことを目標にすることは環境配慮をする上でとても大切なことですが、木工ブースのニーズがある以上、根本的な解決にはならないのではないか、と以前から考えていました。

「木工」以外のブース構築法

現在の展示会業界では、システム部材によるブース、段ボールによるブースなど、「木工」以外のブースの可能性について様々に模索をされています。このことはもちろん私も全面的に大賛成で一切の否定をするつもりはありません。日本において(世界でも、ですが)最も多く使用されているのはオクタノルムです。この部材は、日本では「安く手軽にブースをつくる部材」としての側面が主に認識されてしまっていますが、実際にはかなりのデザイン性を実現できる部材です。日本国内でももっとデザイン面での広がりができればよいのに、と日頃感じています。
段ボールによるブースも同様です。防炎の関係で取り扱いには慎重な対応が必要ですが、デザイン次第では、一般的なブースイメージとは異なるブースデザインができる上に、使いまわしも可能であるため、これにも可能性があります。

システム部材によるブース

木工ブースの利点となくならない理由

では、これらのブース構築法があるにも関わらず、なぜ木工ブースはなくならないのでしょうか。
その理由としてまず挙げられるのは「寸法自由性」「デザインの実現性」にあると考えています。
木工の場合、そのデザインに当たってはミリ単位での調整が可能です。ブースの使い勝手に合わせて微妙な調整ができるのは、ブース集客の戦略を考える上で、かなり有効な手法です。また、ブース形状や壁面グラフィックとのバランスなど、全体的なデザイン面において、コントロールにしやすさもあるかもしれません。

これ以外の現実的な問題として、それらの木工ブースを常に作り続けている木工職人の皆さんをはじめとする雇用の問題もあります。木工の職人さん、そしてブースに貼り付ける壁紙。これは展示会業界においては日本独自と言ってもよい構法ですが、これらの壁紙職人さん(展示会業界では経師屋さん)など、木工ブースを実現するために関わっている様々な関係者の方々のことを考えると、「木工ブースを無くす」ということはあまりにも「非現実的」ことなのではないか、と日頃展示会場を歩いていて感じるのです。

このような状況の中で、「削減」を試みることは大切なことだけれども、何かもっと抜本的に解決できる、そんな方法があるのではないか、と常々会場内を歩きながら考えていました。

次回へ続く>

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