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お茶を飲みながら時間を過ごすー「飲茶」文化と美しさについて
【時間の過ごし方が、文化になるー飲茶】
朝6時半、外は真っ暗な時間から飲茶店は開く。マレーシアのペナン島は、中華系の人が多いのだ。
一人でくる常連のおじさんたちは端に座る。大人数のグループはワイワイと席につく。平日の早朝なのに、広い店内もすぐ満席だ。
店員さんがきて、中国語でお茶の種類をきく。店内はほぼ100パーセント中華系だし、私もそうとしか見られない。「プーアル」と答える。
しばらくすると、食器と熱いお湯の入った洗面器、それに大きな急須を持ってくる。茶葉がたっぷり入っていて、お湯はいくらでももらえるので、お茶はおかわりし放題なのだ。
いよいよ飲茶をとりにいく。一皿120円~200円ぐらい。
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マレーシアだから、飲茶店は半分外になっていて天井には大きな扇風機が回る。そんなところは中国本土とは違うかもしれない。
だけど、中国語でワイワイとしゃべる人たちをみて思う。
飲茶は「お茶を飲みながら」情報交換をし、笑いあい、ともにゆっくりと時間を過ごすためのものとして機能してきたんだろうと。
それは、生活形式の一つであり「文化」だ。一部の特権的な人たちのものでなく、普通の人たちが自然に行ってきた暮らし。
マレーシアには、中国本土から渡ってきた人、その子孫がいる。彼らは、南国マレーシアでも「飲茶」し続けているのだ。
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マレーシアでは、マレー系、インド系、中華系と主に3つの大きな文化がある。それぞれ、宗教、言葉、食生活も異なる。
飲茶にくるのは、ほぼ中華系。中国語がメイン。お茶を飲みお箸を使うけれど、日本と違って「飲茶」は朝の定番で、大声でしゃべってもいいしテーブルを汚しても構わない。楽しみ方も違う。
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私は、ここでは「外国人」で、どのグループにも属さない。それをさみしいと時々思う。
だけど、同時に、こんな驚きを感じられるのをうれしく思う。人の営みこそが、文化なのだろうと気づけるようなこと。
私は、ペナンにいると、ある種の「美しさ」に敏感になる。それは、純粋なものでなく、雑多で、複雑で、混ざったものののなかにある。
南国の、中国語の喧騒のなかに、見えるようなもの。
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