面接が得意で苦手
私は、面接が得意であり苦手です。
…ん? ってなると思うんですけど。でも得意であり苦手なんです。
相手が納得する答えを出すのがちょっぴり得意。接客業をやっていたこともあって、繕うのがうまいんです。…いや、接客業をやる前からだな。
高校入試の面接でもそれなりに自信があったし、授業のスピーチや生徒会の選挙演説なんかもそれほど苦労なくこなしていたから、小さな頃から得意分野なのかもしれません。
そんな調子だから、面接相手からは「できる人」に見えるんです。私。ちゃんと喋れてしまう。「しっかりしている人」に見えちゃうらしい。
でも本当は、ずっとずっと臆病だし、マルチタスクが苦手だったり、時間の管理が苦手だったり、できないことが人一倍多い。
この私のできないことって、なかなか伝わらないんです。
そうは見えないように頑張る癖がついてしまっているから。話し方と真面目に見える顔立ちと雰囲気、そう見せる無意識の頑張り。それらで覆い隠してしまう。
本当は困っているのに、助けを求めることもなかなかできない。やってきていないから、声を上げていいのかすらわからないんですね。
その結果、会社に入ってひたすら頑張って、ときにはリーダーを任されるような評価を得て、でもいつか頑張る限界が来て心身ともに疲れ切って退職の流れを繰り返しています。
今はフリーランスを選んでいますが、「こうならざるを得なかった」というのが正確な表現。
完全なるフリーランスというのもなかなかに厳しいもので、ちょっと外に出て働いてみようかと考えるものの、取り繕ってしまう恐怖を思い出して動けない。
面接が怖い。
面接の場になれば私はまた、笑顔でハキハキと喋れてしまう。
そういう人だと思われて、というか自分で作りだしてしまって、その「できる私」から逃れられなくなる。「できる私」をずっと続けなきゃいけなくなる。
そのスタートを切ってしまうような感じがして、たまらなく怖いんです。
喋れてしまうからこそ、面接が得意であって苦手。
できれば、このままの私で働きたい。
苦手なことがたくさんあるけれど、でもできることは一生懸命やる。できない私のままで、働きたい。生きていきたい。
だから、面接がない仕事の始め方はないのかな、と考えたりもします。
フリーランスも面接というか面談の機会があって、契約時には基本的に必須。まだその場限りで済む頑張りだからこそ乗り越えられていますが、本当はそれもやりたくない。その度に「できる私」のスイッチが入って、でもそれに抗いたい自分もいて、面談のZoomを切ると激しい頭痛に襲われるのが常。
仕事ができないわけではない。今も取引先からは継続的に仕事をいただいていて、それなりの信頼も得られていると思う。
ただ面接がどうしても怖い。
共感してくれる方、いますかね…?