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無間の鐘が眠る神秘的な山、粟ヶ岳へ

前回のブログに続き、掛川散策のレポートになります📝

今回のブログでは、かつて「無間の鐘」があったという伝説が残る阿波々神社(あわわじんじゃ)を訪れた様子についてまとめます。

粟ヶ岳山頂は濃霧🌫️

阿波々神社は粟ケ岳の山頂付近に鎮座する神社です。前回のブログに書いた「夜泣き石」散策に続き、車で乗せていっていただきました。阿波々神社こそ徒歩やレンタサイクルでのアクセスが難しいため、本当に感謝です…!

粟ヶ岳山麓にある東山いっぷく処さんの脇から登山道が延びており、天気が良い日にはハイキングをされる方々が登山を楽しまれています。しかし、この日は台風の影響で非常に不安定な天候。登山道を車で進んでいくにつれ、次第に霧が濃くなっていきました。

道中はこんな感じ。少し手前の様子くらいしかまともに見えません💦

運転してくださった掛川に詳しい方も「粟ヶ岳にはよく来るけど、こんな天候は初めて!」とのこと。幻獣か霊か何かしら出現しそうな景色を進み、とうとう山頂に到着。もちろん山頂も濃霧に包まれていました。山頂からの展望を臨めなかったのは残念ですが、こらはこれで神秘的・幻想的な雰囲気で良かったです。

山頂付近にある栄西禅師(初めて中国から日本に茶をもたらした人物なのだそう)の像。その視線の先も靄がかかっています。
こちらが展望台。登ってみて景色を楽しもうとしましたが…
見事なまでに霧。気象条件次第では富士山も見えるそう。
後日訪れた粟ヶ岳山頂の様子。写真では伝わりにくいですが絶景です!

阿波々神社へ

阿波々神社は、展望台から徒歩2分ほどの場所にあります。

鳥居が近付くと、何やら神聖な雰囲気の音が聞こえてきました。立ちこめる霧と相まって不思議な世界に迷い込んだような感じ。

こちらが阿波々神社。掛川の民話を調べていく中で絶対に訪れたい場所だったので、念願叶って良かったです!

いよいよ「無間の井戸」へ

阿波々神社でお参りをし、いよいよ遠州七不思議の一つ、かつて無間の鐘があり、それが沈められたという「無間の井戸」へ。
神社の本殿から少し奥へ進んだところにあります。

案内に従って進むと、ついに到着‼️

この井戸には、次のような伝説があります。

第45代聖武天皇の天平年中(西暦729~748年)のことである。小夜の中山の東の坂を下ると、菊川の里という所があり、その里(菊水の滝)に仙人が住んでいた。その仙人が常に信仰している不動明王の誓願によって、鐘を供えることを考え、小さなつりがねを作り、粟ヶ岳の頂上の古い松の枝にかけた。 この鐘を一度つくと、災難をまぬがれ、二度つくと病難を除き、三度つくと家が栄え、四度つくと運が開けて出世をし、五度つくと、子孫までも栄え、六度つくと武運長久となり七度つく者は末永く長者になれるという噂がひろまった。 この噂をきいて、鐘をつこうとして登山する者が多くなった。しかし、当時は道も小さく、しっかりできていないので、足をすべらして谷底に落ち、怪我をしたり、死ぬ者が多くでた。そのため、誰れ言うとなく「地獄へ落ちる鐘」とおそれられた。 小鮒川のほとりに、ひとりの長者がいた。この人は強悪無道な人なので、人々は、荒石長者と呼んでいた。この長者も、世の常の人のように、人にすすめられ、末長く長者になれると信じ、慾にさそわれて鐘をつきに出かけた。どうやら粟ヶ岳の頂上にのぼり、松の枝に釣ってある鐘を張り合い込んでついた。ところがどうしたところであろう、鐘をつくと同時にそのまま地獄の底に落ちていった。
三度の食事は、みんな蛭となってしまって、食べることができず、大変な苦しみにあって、あわれな最期をとげたということである。
それから「女房の朝寝と無間の鐘は、朝のごはんが蛭(昼)になる」という歌が歌われ、今も伝わっている。 このように、罪多い人たちが鐘をついたので不幸を招いたのであるが、この鐘があるために世人をまどわし、更に罪を作り出しているということは発願者の意図に反することである。そこで、天禄二年(西暦972年)住僧は、この鐘をはずして頂上の井戸(約百米)の底に埋めてしまった。この井戸を無間の井戸という。(「史跡と伝説」掛川市商工観光課)より)

掛川市観光情報より抜粋
https://www.city.kakegawa.shizuoka.jp/kanko/spot-list/12454.html

他の伝承では、無間の鐘を撞けば現世は幸せになれるが、死後は地獄へ堕ちるとも言われています。それにも関わらず欲深い人々が殺到したため、住職が鐘を井戸に投げ込んだ、それが「無間の井戸」なのだそう。井戸を見てみると、底は塞がっているため鐘を見ることはできません。

こちらが無間の井戸。底は塞がっているため鐘を見ることはできません。
説明が書かれた柱がありましたが、文字は消えかかっています。

こうした伝説ゆかりの地が実際に訪れることができる形で残っているのはとても素敵なことだなぁと思います。鐘を求めて登ってきた人々や住職の思いや願い、その伝説を語り継いできた人々の思いを感じることができることが幸せ。

ちなみに阿波々神社の社務所には無間の鐘に因んだ御守りや、茶文字の印が押された御朱印を授かることができます。

こちらが無間の鐘の御守り。
そして御朱印。茶文字の印が押されています。

阿波々神社周辺のオススメスポット

阿波々神社の周辺は粟ヶ岳の神秘的な環境を満喫することができます。まずは無間の鐘から山道を少し登ったところに、粟ヶ岳の山頂碑があります。

粟ヶ岳の標高は532m。ずいぶん高くまで登ったものだ(車で頂上付近まで乗せていただいたため苦労はしておりませんが笑)

阿波々神社から少し降りたところには磐座(いわくら)=神が宿る場所として敬われる特定の自然物の跡があります。古来より大切にされていた自然崇拝の場。この日の天候と相まって神聖な雰囲気が感じられます。

一方で、調べたところ磐座群の中央部には地獄穴もあるそう。こちらのサイトを拝見し、再び訪れて調べたいなぁと思いました。

アクセスなど

阿波々神社のアクセス等はこちら。

◯住所
静岡県掛川市初馬5419 

○アクセス
JR東海道(新幹)線掛川駅より、車で30分~35分
東名・新東名各I.Cより車で30分~35分

◯参考URL
〈阿波々神社ホームページ〉http://www10.plala.or.jp/awawajinjya/

〈掛川観光協会〉https://www.kakegawa-kankou.com/kanko/guide/facility_detail.php?_mfi=220

〈掛川市観光情報〉https://www.city.kakegawa.shizuoka.jp/kanko/spot-list/12454.html

〈テレしずwasabee〉https://wasabee.media/articles/9312084/

遠州七不思議の1つである無間の井戸や、粟ヶ岳の自然が生み出す神秘的な雰囲気を、ぜひ味わってみてください✨

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