Bike and Camp | バイクパッキングで湖畔キャンプ
「バイクパッキング」をご存じだろうか。簡単に言えば「バイク=自転車」+「パッキング=荷物」だけで旅をしよう、ということなのだが、近年はそのパッキング方法や、寝泊まりするためのキャンプギアの軽量化が進んでいて、自転車1台でいろいろなところへ軽々と旅ができるらしい、ということを数年前に本屋で手に取った本を通じて知った。
何せ大好きな自転車とキャンプが一体化した旅の形ということで、その本を手に取った時は内心相当盛り上がって帰宅した。が。本というものは手に入れただけでその知識を手に入れた気分になれる魔力を持っているもので、日々の忙しさなんかもあり本を買ってから数年間、その本は棚の中で待機していた。
PEBLWEARの制作スタジオのある長野県にはいくつかの大きな湖がある。有名な諏訪湖の他にも、木崎湖や青木湖などもあり、特に青木湖は国内随一の透明度からキャンプやSUP(スタンド・アップ・パドルボードといって立って漕ぐサーフボードのようなもの)などアウトドアアクティビティーのメッカとなっている。
とある初夏の2日間、この青木湖の隣にある、木崎湖へバイクパッキングで訪れてみた。木崎湖にもキャンプやSUPのできる湖畔のキャンプ場がいくつかあり、自宅のある松本市からは車で約1時間とほど近い。松本からおおよそ川沿いを安曇野、大町を通って湖にたどり着くルートで、眺めもよさそう。なにより湖畔でキャンプという画は想像してみただけでもイイ。
というわけで計画に入った。
キャンプをするための道具は、昔バイクでツーリングをしていた頃のギアが一通り揃っていたものの、バイクパッキングの場合は自転車+荷物の重量を軽量化する必要がありそうだった。考えてみれば当然で、自転車は100%の動力が自力ペダルをこぐ、という人力の乗り物。軽量化することで移動そのものの負担が減り、その分長距離を楽に移動できる。下り坂の場合はあまり関係なさそうだが、上りにはもろに効きそうだ。必要な荷物を一通り考えてみたところ一番重量がありそうなギアはテント、ということでテントだけは新調することにした。
お次は自転車で運ぶ荷物のパッキング。
荷物はテント・寝袋、着替やウィンブレ、コンパクトなストーブとコップ・水を補給するためのハイドレーションパック、ライト・カメラ・バッテリー、自転車のリペアキットとロック用のワイヤーなど、「快適に過ごすための」必要最低限の荷物を厳選した。
荷物の運び方は先ほどの本で勉強した。自転車のフレームやサドル、ハンドルバーにストラップなどで直接固定するタイプが主流で、自転車そのもの+荷物を一体化させることで走行時の安定感が生まれ、舗装されていない道でも快適に走れる。さらに荷物固定のための金具などがいらないので、重量UPにも繋がりにくい。テントはハンドルバーに巻きつけ、その他の荷物はフレームバッグにすっぽりと収まった。道中で調達予定の食材を押しこむ余裕もある。
荷物を全部自転車に固定してしまえば、体は身軽でいられるので走行時の心地よさが段違い!ペダルを漕ぐことに全力、ではなくて。風景や風の心地よさを感じながら自転車で旅がしたい。そんな想いを叶えてくれそうな予感。
今回のルートはKomootという自転車向けナビゲーションアプリに任せてみた。目的地を設定してみるといい具合に自転車専用道路を選択してくれるし、舗装された道と、そうでない道をどの程度使うか、なんかもおおよそ設定できる。今回は木崎湖から梓川に向かって流れるいくつかの川に沿ったグラベルロード(舗装されていない道)と、松本の中心地から安曇野までを結ぶ自転車専用道路「あずみのやまびこ自転車道路」をルートに設定して、いざ出発!
今回は片道52km、往復で104kmのルートで、アプリ上には片道3時間と表示された。車では1時間ほどの道のり、「自転車ならその3倍程度の時間でいけるよ」ということになるが、普段はせいぜい10km程度しか自転車で移動しない人がいきなり3時間ぶっ続けで走れるわけがない。実際休憩や写真を撮ったりで、5~6時間はかかったか?と思う。一方でアプリで実際に記録した走行時間は3時間。道中3時間も休憩していたのか、と今更ながら思う。まぁ、せっかくの旅ですから。そのくらい道中も楽しめたということで。
行きはところどころ曲がるポイントを間違えたりしたが、帰り道は一度通ったルートなのでかなり効率よく進む。普段車で通り過ぎていた景色が、自転車だとぐっと近くなり記憶に濃厚に残る。途中の自販機で飲んだオレンジジュースは死ぬほど美味しかったし、川と田んぼ、まだ雪の残る北アルプスを見上げる壮大な風景、川や湖のせせらぎ。ぜんぶ写真を見なくてもくっきりと記憶によみがえる。そんな心地いい自転車旅になった。バイクパッキングの旅、機会があればまたどこかに出かけてみたい。
今回の旅もオリジナルで開発したプロダクトのフィールドテストがサブの目的。実際のフィールドで実際に役立てることで見えてくる使い方や気づき。そこから生み出される、ミニマルで心地いいプロダクトを目指して、日々開発と制作を行っています。もしご興味ありましたらPEBLWEARついてもご覧ください!
No Music, No Life.
PEBLWEAR | クリエイター
赤塚 雄平
■ PEBLWEARついて
2022年度グッドデザイン賞受賞。1点ずつハンドメイドのウェアラブルリモコン。リンク先から製作オーダー頂けます。
Made in Matsumoto Nagano Japan.
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今回のバイクパッキングを可能にしてくれたモノたち
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