【BGM付きエッセイ】 共感するということ〜次男が幼稚園のころ(2002年)書いたものから〜
アンドレ・ギャニオンの静かなピアノと一緒に
⬜️ 幸せを感じる時
「 さかあがりをすると、
おそらがまわるんだよ~ 」
幼稚園で
逆上がりが出来るにようになった次男が
得意げに話してくれました
きらきら光る真っ直ぐな瞳
こういうものを見た瞬間
わたしは、幸せを実感します
⬜️ 共感するということ
かず君は次男の幼稚園の友達。
普段、我が家は園バスを利用しているが、週に一度、幼稚園の体操教室のためお迎えに行く。教室ではかず君も一緒。
終わった後たっぷりとそのまま30分は遊ぶ。
その日、わたしたちはお母さん方4人くらいで立ち話をしていた。。。
カズ君と次男は鉄棒をしていて・・・んん?
・・なにやら、かず君が泣き始めた。
腕でも痛めたのだろうか?
違う。。。逆上がりが出来ないのが悔しいらしい。その横では、次男がくるりくるりと回っている(笑)(最近出来るようになったばかり)
かず君はお母さんに抱きつく。お母さんは
「さっきの体操教室ではできたのに、
今出来ないから悔しいんだね」
…でも、泣き止まない。別のお母さんが
「前よりも出来るようになったじゃない。
もう少しだよ。がんばって!」。
「がんばって」と言われた かず君は
さらに泣き出す始末。
そこへ、かず君とラブラブの なつみちゃんが来た。かず君に近づき、一瞬抱きつきそうになり(!)何か言おうとしている。
…が、言葉にならない。だんだん顔がゆがんできて自分のお母さんの所に抱きつき、なんと この子も泣き始めてしまった。
わたしはそれを見て、なんて心の優しい子だろうかと思ったのだ。
* * *
大人でも、こういうことはある。最愛の人や我が子やペットを亡くしてしまって深い悲しみに打ちひしがれている人。自分ではどうにもならないような大きな困難の中にいる人etc・・・。
そんな人を前に、わたしたちはかける言葉を見つけられない。叱咤激励など何にもならないような時ってある。黙してそばにいて 背中をさすってあげるか、手を握ってあげるか・・涙するしか出来ないよう時も。
「共感する」って、悲しい時は一緒に悲しみ、嬉しい時は一緒には喜び…そういうことなんじゃないかと思う。
【共に感じる】
まさに、字の通りなのかもしれない。
それから少し経った園庭…
お母さんから離れた かず君は
皆が見守る中、再び鉄棒に向かい
思い切り足を蹴り上げた
次のお話です
⬜️ 長男の友達の妹(まこちゃん)が来た
長男(当時小2)の友達が遊びに来る。
男の子ばかりでそれはそれは、騒々しい。
新しく買ってもらったばかりのゲームソフト
「スーパーマリオサンシャイン」に夢中。
友達のひとりがいつも妹を連れてくる。
次男と同じ年の幼稚園の年中さんだ。
二人(次男と)で仲良く遊んでいる。
工作したり、お店屋さんごっこしたり。
彼女が来るとなんだか嬉しい。
女の子が一人いるだけで空気が柔らかくなる。
「ねえ・・」 「なあに?」
「きょうの おはな(花) ちがうのね」
「きょうは めがね かけてないの?」
「ここにあった たな もうないの?」
女の子は細かい事にもよく目が届く。
大きな声はださないし、ゆったりとしゃべる。
「あのね。まこちゃんね、
8月お誕生日なの・・・」
「そう、8月なんだ。何日なの?」
「あのね・・あのね・・8月なの」
(何日かはわかってないらしい!)
息子達とは全く違う。
また遊びにきてね、まこちゃん。
(おしまい)
追記
まこちゃんとは、小学校までは一緒だったけど中学は互いに別々のところに進み、こちらも引越したのでその後どうしてるかわからない。元気でいるといいな
⚪️新たにBGMを付けました⚪️
子育てを振り返ったエッセイ。ジャズピアノバージョン、ディズニー「美女と野獣」のキレイなピアノを聴きながらどうぞ♬