「笑顔」のパワー解説

「笑顔」が1番!
「笑顔」っていいよね。
「笑顔」を忘れずに。

「笑顔の大切さ」は小さい頃から言われてるし、
たしかに人の笑顔で元気になった経験はたくさんあります。

ただ、「笑顔は大切」と言われれば言われるほど、思えば思うほどに、笑顔と気持ちが裏腹になることも増えました。

“喜怒哀楽”なんていうけど、
“喜”と”楽”以外のダークテイストな感情も、みんな受け止めてくれるの??
って疑いだす、どーしようもないわたくし。( ̄▽ ̄)

そんなことを考え始めたのは、高校生の頃だったかもしれません。

***

電車通勤していた私は、1人でボックス席に座っていました。

後ろからおじいさんが「ここ座っていいですか?」と、空いてる席を指差し、声をかけてきました。

私は「あっはい…!」と深く考えず答えました。

そのまま他人同士、電車の中で自分時間を過ごします。

先に下車しようとしたのは、おじいさんの方でした。
反射的におじいさんを一瞬だけ見る私。

おじいさんが席を立ち去る直前、急に声をかけてきました。

「君のその笑顔を、忘れてはいけないよ。」

私「?!」

そして降りてゆくおじいさん。

私、笑った記憶なんてないけど…。
相席を尋ねられた時に、愛想笑いを浮かべていたんでしょうか?
うん、それしかない。

その時の私にとって、おじいさんの言葉は別に嬉しくなく、逆に困った気持ちになりました。

「おじいさんは笑顔を喜んでくれたようだけど、私は心からの笑顔ではなかった。見せかけの笑顔をしてしまった…。」

***

そんな出来事があってから、「笑顔」について考えてしまうようになりました。

今の私の笑顔って、また表面的なものになってないかな?
取り繕った笑顔なら、いっそのこと、
怒りや悲しみの感情を表してしまった方がいいんじゃないかな?
その方が、素直だよね…?

まあ、そんなに感情を露わにする勇気は私にはなかったのですが(笑)、
「笑顔」が大切と思われる社会の中で、その場しのぎの笑顔をすることに、心苦しくなるようになりました。


そんなことを意識し始めてから早10年…!

ふと、「笑顔」の謎が解明されたような気持ちになりました。

特別な出来事があったわけではありません。
なんとなく思いました。

自分の表面的な「笑顔」であっても、
受け取り手は、その「笑顔」に少なからず安心感を覚えるんじゃないか。

例え、席を譲る時に、心の底から笑っているわけではないと分かっていても、
やはり無表情や怒りより、笑顔の方が安心できます。

そうすると、その裏側が分からない「笑顔」から、受け取り側は本物の「笑顔」になる。

決して、初めは表面的な始まりであったとしても、本物の「笑顔」が生まれることになる。

ちゃんと笑顔が生まれたことになる。

決して、心からの笑顔だけが素晴らしいわけじゃないんです。
本物の「笑顔」を生み出す可能性のある、表面的な「笑顔」も価値がある!

この事実を知らなかったのって、私だけなのかな?(笑)

これでようやく、愛想笑いの自分も受け止めてあげれそうです。

ちゃんちゃん

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