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マフェトン理論180公式最新版

進化したマフェトン理論180公式

今回は、マフェトン理論180公式を紹介します。

マフェトン理論180公式は、持久系スポーツ向上のために最重要な有酸素能力の土台作りに必要な心拍数ゾーンを提供します。

下記に挙げた英語原本やWebページの参考文献を総ざらいして、マフェトン理論180公式最新版をまとめました。

「マフェトン理論180公式は進化している」……これがまとめた結果を読み返した第一印象です。年で言うと2018年版。

おおまかに3点ほど。

1.マフェトン理論の食事法を非採用の最大エアロビック心拍数の判定についての記述
2.より厳格な判定基準(年単位で評価する項目等)
3.最大エアロビック心拍数の微調整についての記述

『『マフェトン理論』で強くなる! 革命的エアロビックトレーニング』(1997/9, ランナーズ)等の既存書やTarzan等の雑誌で紹介されている判定基準よりもかなり詳細になっています。

本記事を読めば、より適切な最大エアロビック心拍数を採用できるでしょう。

お断り

※健康と競技成績向上を両立して、より長い競技人生を楽しみたいと願う数多くのアスリートにご活用していただけると思い、現在は無料公開にしています。
※本記事の内容を採用したことによる読者の不具合に関しまして、一切の責任を負いません。自己責任でお願いします。
※記事内容につたない部分もあると承知した上で公開しています。あらかじめご了承ください。
※今後、予告なく内容のアップデートや誤字等の修正、その他を行う場合があります。
※マフェトン理論80公式についてより詳細な情報を得たい場合は、本記事に挙げたすべての参考文献の該当部分をお読みください。
※本記事はマフェトン理論180公式を紹介記事なので、判定項目中にあるトレーニング症候群の各ステージについては略記に留めました。『『マフェトン理論』で強くなる! 革命的エアロビックトレーニング』の第9章「スポーツ障害の解剖学」にもおおまかな記述があります。そして本記事の参考文献を読んで、さらに深く理解してください。原因、症状、回復方法、リカバリー期間等が書いてあります。

1.最大エアロビック心拍数 基準値の算出法

最大エアロビック心拍数基準値 = 180 - 現在の年齢

【例】あなたの現在の年齢が40歳なら 180 - 40 = 最大エアロビック心拍数基準値140拍 になります。

※基準値は、下記カテゴリーCと同値になります。

2.カテゴリーによる心拍数の加減によって最大エアロビック心拍数を決定する

上記1で求めた基準値から、下記カテゴリーa~dから自分に当てはまる心拍数を加減します。

【例】最大エアロビック心拍数基準値140拍で、下記カテゴリーbに相当する心身状態の項目に該当するなら、140-5=最大エアロビック心拍数135拍になります。

【例】「2年間週4回以上、継続してトレーニングを行っている」でカテゴリーCに該当する。そして「季節性アレルギーや喘息がある」でカテゴリーbにも該当するという場合は、より低い心拍数になるカテゴリーbを選択して、最大エアロビック心拍数基準値から5を引いた心拍数を採用します。

カテゴリーa…下記いずれかに該当する項目があれば、最大エアロビック心拍数基準値から10を引きます。

・心臓病、手術や入院等の大病をした場合
・リハビリ中、常用薬服用中の場合
・ステージ3のオーバートレーニング(燃え尽き症候群等)に該当する場合

カテゴリーb…下記いずれかに該当する項目があれば、最大エアロビック心拍数基準値から5を引きます。

・怪我をしている
・MAFテストの結果が悪かったり、競技で成績が下降している
・年に2回以上、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかっている
・季節性アレルギーや喘息がある
・肥満である
・オーバートレーニング ステージ1(機能的なオーバートレーニング。疲労感やエネルギー低下感、身体的な痛み)や2(交感神経系のオーバートレーニング。日中の疲労や眠気の増加、風邪や感染症に罹りやすい、MAFテスト成績低下、慢性的な筋肉痛等)に該当する
・一貫してトレーニングができていない
・トレーニングを開始したばかり
・トレーニングに復帰したばかり

カテゴリーc…下記のすべての項目に該当するなら、最大エアロビック心拍数基準値を使用します。

・カテゴリーaまたはbのような問題がない
・2年間週4回以上、継続してトレーニングを行っている

カテゴリーd…下記の全項目に該当するなら、最大エアロビック心拍数基準値に5を足します。マフェトン博士は、通常カテゴリーd(5拍追加)を使用しないよう勧めています。実際プロ・アマ問わず、全項目に該当するアスリートは、ほぼいないのではないでしょうか。
・カテゴリーaやbに該当せず、2年以上トレーニングを継続している。身体的、生化学的、精神的、感情的な傷害がないことも含む。
・MAFテストが向上している
・競技成績が向上している
・怪我していない
・ウエスト/身長比で示される肥満ではない
【参考】「隠れ肥満」計算https://keisan.casio.jp/exec/system/1161228727

※16歳以下と65歳以上のアスリートへの心拍数の加減について

65歳以上のアスリート
個人別で最大エアロビック心拍数の調整を検討する。もしカテゴリーdに該当するなら、最大で10拍子を追加することも検討可能。但し、10拍を足すことではありません。自己評価を行いながら(慎重に)心拍数を加減します。

16歳以下のアスリート
180公式は非適用。心拍数165を使用します。

※マフェトン理論の食事法を適用していないアスリートの最大エアロビック心拍数の適用

少なくともマフェトン理論が推奨している脂肪燃焼志向の食事をしていない場合、最大エアロビック心拍数基準値から20を引きます。

【例】最大エアロビック心拍数基準値140拍であれば、140-20=120拍 になります。マフェトン博士は「それでも足らないかもしれない」といいます。将来、既存のカテゴリーa~dの他に、新カテゴリーを設けるかもしれません。

脂肪燃焼志向の食事をしていないアスリートはマフェトン理論よりも、『マラソンはゆっくり走れば3時間を切れる! 49歳のおじさん、2度目のマラソンで2時間58分38秒 (SB新書)』田中猛雄、2012/11、SBクリエイティブ を参考に、田中氏が推奨する「疲労抜きジョグ」と週1~2回のポイント練習を組み合わせたトレーニングを採用する方がよいかもしれません。

※最大エアロビック心拍数を微調整するための判定基準例

・1年ごとに見直して自分の最大エアロビック心拍数を決定する。
・適切な最大エアロビック心拍数で開始。1年後により速く、よりスリムになっていれば、前年と同じ最大エアロビック心拍数でよい。
・2年後により速く、よりスリムになっていれば、2年前と同じ最大エアロビック心拍数でよい。
・健康やフィットネスに障害がなく進歩し続けている人や、MAFテストが改善し続けている人は、5年間で最大エアロビック心拍数から2~3引く。
・成績の停滞、余分な体脂肪、怪我をした場合、加算した最大エアロビック心拍数以前まで下げる。

3.最大エアロビック心拍ゾーンの算出法

1)上記1~5で算出した180公式があなたに適した最大エアロビック心拍数になります。

2)180公式で求めた最大エアロビック心拍数から10引きます。

3)最大エアロビック心拍数までの心拍数が、あなたの最大エアロビック心拍ゾーンになります。ウォームアップとクールダウンを除き、このゾーンでトレーニングします。

ということで今回は、マフェトン理論180公式最新版(2018年版)を紹介しました。

これであなたにとってより適切な目標になる最大エアロビック心拍数とゾーンの心拍数を確定し、有酸素能力の基盤を作る持久系トレーニングを行えます。

ということで、今回はマフェトン理論180公式最新版についてお伝えしました。

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【参考文献】

『The Maffetone Method: The Holistic, Low-Stress, No-Pain Way to Exceptional Fitness』
ペーパーバック, Ragged Mountain, 1999/7/20

『The Big Book of Endurance Training and Racing』
ペーパーバック, ‎Skyhorse Publishing, 2010/9/22

"The MAF 180 Formula: Heart-rate monitoring for real aerobic training." 2015/5/6
https://philmaffetone.com/180-formula/
※マフェトン理論180公式解説

"White Paper: MAF Exercise Heart Rate – How it can help improve health and sports performance" 2016/6/22
https://philmaffetone.com/white-paper-maf-exercise-heart-rate-can-help-improve-health-sports-performance/
※健康とスポーツ・パフォーマンス向上を両立させた向上を目的としたマフェトン理論の全般的な概説。PDF版あり。

"The MAF 180 Review" 2018/10/30
https://philmaffetone.com/the-180-review/
※35年後に180公式を見直して追加した説明。

"The overtraining syndrome" 2019/4/29
https://philmaffetone.com/the-overtraining-syndrome/
※オーバートレーニング症候群についての記事。『The Maffetone Method: The Holistic, Low-Stress, No-Pain Way to Exceptional Fitness』や『The Big Book of Endurance Training and Racing』も参照。

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