短歌 #5 「10首」
3月にあれこれ立てた計画を曖昧にする君の優しさ
やさしさが痛みに変わる5秒前 冷やし中華は甘くすっぱい
さよならと別れの手紙を置いてゆく 黒山羊さんは読まずに食べた
どうしたのオリジナリティ皆無だよ 誰かになれない私の言葉
この雨に隠れ涙を流す夜 小さな粒は桜のように
動物の形を模したクッキーは卵不使用 君は必要
優しさの賞味期限が切れたのか 君は気のない相槌を打つ
風船がするりと手を抜け飛んでった いくら泣こうが桜は桜
花びらが静かに降り積もる夜 白い桜か4月の雪か
どうやってここまで来たか分からない秘密の地図は燃やして捨てた