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MELODY&NUTS #19 BLUE FLAME

ピピピピッ
ピピピピッ

普段は鳴らない目覚ましがなる
午前10時

眠たい目をこすり
珈琲を淹れる
煙草に火を付け
スケジュール表に目を通す

FUTURE STAGE
19:00 MELODY

いよいよかと
心の中で呟く

ディーとの待ち合わせには
まだ時間があった
淹れたての珈琲を一口飲み
目を閉じる

いつもより
心臓の音が大きく聴こえる
自分にとっての音楽ってなんだろう
その答えは今日見つかるのだろうか

家を出てから
ずっと蓋をしてきた過去と
向き合うチャンスを
ナッツがくれた

考えていたって仕方ない
チャンスがある
それだけで十分じゃないか

ゆっくりと目を開くメロ
その瞳には
静かに燃える炎が揺れていた

『まだ飲み足りない
 もう一本開けようむにゃむにゃ』
『今夜も楽しく遊ぼうむにゃむにゃ』

バチン
背中に衝撃が走る

『痛ぁぁぁーー』
『もう昼だよ
 いつまで寝ぼけてんの』
『何時?』
『自分で確認してよ』

午後1時
ディーは完全に寝坊していた

『メロって子から
 ずっと携帯鳴ってたよ』
『やべっ
 なんで起こしてくんないんだよー』

バチン!

『何度も起こしたよ
 全然起きないんだから
 あんたの母ちゃんじゃないんだからね』
『メロ怒ってないかなー』
『代わりに出て
 まだ寝てることも
 ホテルの場所も伝えておいたよ
 ディーらしいって笑ってたから
 大丈夫じゃない』
『女神かよ
 ありがとー
 すぐ準備するわ』

ビシッと真っ白のスーツに袖を通し
ハットを被るマイケルスタイル
これが似合う男は中々いない

だらしなくても
朝が弱くても
許される
それがディーなのだ

午後2時

メロとディーは
ホテルのフロントで落ち合った

『ギラギラじゃねーか目
 気合入ってんな』
『余裕なディーが羨ましいよ』

『いよいよだな』
『いよいよだね』

ディーの車に乗り込み
俺たちは会場へと向かった

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