【平和ビジネスへの道】#29 おてらおやつクラブ
こんばんは!かほりです。
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さて、今日は読んだ本にあった事例を一つご紹介します。
■抱えている問題
日本では7人に1人の子どもが貧困状態にあるとされている。日本の子どもの貧困は「絶対的貧困」ではなく「相対的貧困」。
いわゆる発展途上国などで見られるような生存に関わる絶対的貧困に対して、食生活も服装も一見普通に見える相対的貧困は、周囲から気づかれず、見えにくいのが難点となっている。
■着眼点
日本における貧困の原因が、経済的困窮に加え、だれにも助けを求められない社会的孤立にある。
日本人が心理的に助けを求めやすい場所をHUBとし、問題の解決を目指せないか…。
■解決策
全国のお寺を起点に、お寺へのお供え物を貧困家庭・ひとり親家庭におさがり・おすそ分けするしくみを作った。
普段、お寺へのお供え物は仏様からおさがりとして、お寺の家族や地域の人におすそ分けされることが多いが、このお菓子・果物をもっと必要としている人に分け与える仕組みを作り出したいという思いから発足。
日本には、お寺が7万5千以上存在するとされ、その数はコンビニの総数をはるかにしのぐといわれている。
人から人や団体への寄付ではなく、人から仏様へのお供え⇒仏様からおすそ分けとしていることが一番の特徴。
他の人や社会に対して助けを求めづらい人々にとっても、「駆け込み寺」という言葉がある通り、お寺・仏様という存在は助けを求めるハードルが低いですよね。
そこをきっかけに、支援団体やお寺の人々とのつながりが生まれ、社会的孤立をなくしていく、というのも鮮やかです。
■結果
この仕組みは全国の寺院に広がり、2018年時点で1524寺院が473団体と提携し、月間のべ1万6千人の子どもにおやつが寄付されている。
2018年のグッドデザイン賞も受賞するなど日本ならではの持続可能なスキームに。
仏教・日本ならではの特性と、お寺という場所のブランドを捉えて、今後の新しい役割・あり方を作り出した素敵な事例です。
寺のお供え文化というものは、数百年前から続いてきたもののため、支援団体のように1年単位で寄付・予算組みをする必要がなく、長期的に持続可能な仕組みとなっていることも魅力です。
お寺という場所のありがたみが増しますね。
お寺のビジネススキームは、人々の信仰心で成り立っているのでしょうから、苦難を和らげる社会課題への向き合いとは相性がいいんだなあ、と思いました。
それでは、今日はこの辺で!
Peace!
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