子供の不登校におけるメンタルヘルス / 広島と京都の心理カウンセリングオフィスFLIFE/フライフノート第5頁
夏休みが終わろうとしている二週間前から、子どもが学校に行きたくないと言ってきて、親を悩ますことも少なからずあります。夏休み明けが近づいてくると、子どもを持つ親からの相談が急激に増えてきます。
子どもは、学校に行くことに対しての予期不安などによって、体調不良や眠れないことなどを親にうったえてきたり、食事を拒否したり、そわそわと落ち着きがなくなったり、親に暴言や暴力をふるったりと、言語面だけでなく行動面でも、親を悩ませてしまう変化がでてきたりします。
個々の子どもによって、学校に対する想いはそれぞれ違うものであり、それは、日々、変化するものでもあります。昨年度までは、学校に楽しくいって勉強もがんばっていたにも関わらず、今年度になってから、人が変わってしまったかのように、元気がなくなったり、成績も悪くなったりして、学校に行かなくなってしまう、また、行けなくなってしまう子どもは、少なからず存在しています。
そのように、子どもに変化が生じてくると、親は耐えられないほどの不安感や心配事などを持つようになります。子どもが、早く以前のように、学校に行って欲しいといった焦りの気持ちや、その願いが増えることも当然ながら生じてきます。
不登校が増えるのは、中学校になってから多くなったりもしますが、中学生は、親離れをめぐって、高まった心の葛藤などを上手く処理していく手段として、友達関係や先生との関係、学業やクラブ活動に力を入れる傾向が強いと考えられています。
一般的には、親への甘えと反抗、そして、友人関係や、学校の活動への入れ込みとそのストレス、それらが相互に埋め合わせが出来ている心の状態が望ましいものではありますが、しかしながら、そのことに関しては、大変、微妙なものとなります。子どもは親に甘え、反抗し、それと同時に、友人関係や学校の活動などに力を入れ、成功したいといった承認欲求や自己実現の欲求などを満たすために、無理をしたりします。無理が生じているからこそ、大変、傷つきやすく、もろいものでもあります。友人とのささいなトラブルや、学校活動のささいな失敗などが、子どもにとっては、大きな取返しのつかない挫折として受け取ってしまう場合があります。
不登校は、極、ささいな挫折体験の結果として生じてくることが多いものです。その他にも、いじめや、背伸びをした友人などに影響を受け、萎縮してしまうことなども原因となります。
不登校は、親の冷静な対応が重要です。状況を見守り、確認し、子どもが不登校になってしまったその原因を的確に把握することが重要となるのかもしれません。的確に原因が把握できた後、親だけでは解決ができないことも多いため、学校だけでなく、行政機関や福祉、医療などの専門機関やその職に相談することが重要となり、親だけでは気付けなかった解決策が、見いだせるかもしれません。
著者:神代敏和【心理カウンセリングオフィスFLIFE/公認心理師/精神保健福祉士/社会福祉士/キャリアコンサルタント】