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【英論抄読】肩関節損傷後のスポーツ参加への復帰基準:臨床的解説

📖 文献情報 と 抄録和訳

肩関節損傷後のスポーツ参加への復帰基準:臨床的解説

Wilk KE, Bagwell MS, Davies GJ, Arrigo CA. RETURN TO SPORT PARTICIPATION CRITERIA FOLLOWING SHOULDER INJURY: A CLINICAL COMMENTARY. Int J Sports Phys Ther. 2020 Aug;15(4):624-642.

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PubMed

📚 概要

[背景]
肩関節はスポーツ中に頻繁に損傷する。肩は非常に可動性が高いため、肩の損傷後のスポーツ参加への復帰は臨床家とアスリートの両方にとって困難な課題である。この臨床解説の目的は、スポーツ復帰の基準に関する現在の文献をレビューし、肩の微小・巨視的外傷後のスポーツ復帰のための臨床的意思決定を支援する、エビデンスに基づいた臨床的に有用なガイドラインと推奨事項を提供することである。

[エビデンスの取得]
機能テスト、上肢のテスト、スポーツ復帰、肩の損傷という用語を用いたPubMedデータベースの検索を行った。特定された論文の書誌事項をさらに評価し、エビデンスを拡充した。このエビデンスは、臨床的な解説を行うために使用された。

[結果]
スポーツ復帰の意思決定は、順を追って、基準に基づいたプロセスである。患者報告アウトカム、可動域、筋力、機能的パフォーマンスの評価は、すべて考慮しなければならない。肩の怪我や手術の後、患者がスポーツに復帰する準備ができているかどうかを判断するために、臨床医が利用できる数多くのテストがある。オーバーヘッドアスリート(微小外傷)とマクロ外傷性肩関節炎患者では、要求されるスポーツが異なるため、異なるテストが利用されなけれ ばならない。

[結論]
文献にあるようなあらかじめ決められた基準を使用することで、アスリートプログレッションにおいて主観的な要素に頼ることを最小限にし、練習に進む前や競技に復帰する前に達成しなければならない既知の、あらかじめ確立された、測定可能な指標と目標をプロセスに関わるすべての人に提供することができるのです。この種のパフォーマンス進行評価テストは、臨床医に、アスリートがいつ安全に練習に復帰し、その後、制限のない競技活動に復帰できるかを判断するための客観的な支援と指針となる有用なツール群を提供するものである。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

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無料で読め、且つ分かりやすく体系化されているため是非全文を読んでみて頂きたい。個人的には、以下のボールドロップテストは簡便で面白いと思った。

ボールドロップ・テスト テーブルの上にうつ伏せになり、手に2ポンドのプライオボールを持ち、肩を90˚に外転させ肘を伸ばした状態で30秒間ボールドロップとキャッチを行う。

あと、スポーツ選手においてもJOAなどの評価を経時的にとっていく必要性を改めて感じた。

各種機能評価法ダウンロード | 日本肩関節学会 (j-shoulder-s.jp)

「知っている」と「実践している」とでは雲泥の差がある。しっかりと、「実践」していこう。

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最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。

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