【英論抄読】高齢者における栄養状態と身体組成が機能障害に及ぼす影響の性差について
▼ 文献情報 と 抄録和訳
高齢者における栄養状態と身体組成が機能障害に及ぼす影響の性差について
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DOI, PubMed(Full text), Google Scholar
[背景]
本研究の目的は、老人病棟の入院患者における栄養状態および身体組成の変化が包括的高齢者医学評価(CGA)の結果に及ぼす影響を評価することであった。また、これらの関係性における性差についても検討した。
[方法]
2012年から2019年にかけて東京大学病院の老人病棟に入院した高齢者(65歳以上)計212名を本研究に登録した。CGA(ADL、IADL、MMSE、GDS、Vitality Index)を実施するとともに、身体組成(付着筋量、腹筋量、体脂肪量)および血中栄養不良バイオマーカー(血清アルブミン、プレアルブミン、25-ヒドロキシビタミンD、亜鉛、ヘモグロビン濃度)の評価も行った。
[結果]
重回帰分析により、男性では上肢、下肢、腹部の筋肉量がADLのスコアと有意に関連することが示された。一方、腹筋量はGDSのスコアと負の相関があった。体脂肪量も IADL のスコアと負の相関があった。一方、女性では、重回帰分析では、体組成パラメータとCGAのどの領域のスコアとの間にも有意な関連はみられなかった。しかし、男性とは異なり、女性では血液中の栄養不良バイオマーカーがADL、IADL、MMSE、Vitality Indexと有意に関連していた。
[結論]
本研究の結果、高齢者における栄養状態および身体組成と機能状態との関連は、性別によって異なることが明らかとなった。これらの結果は、男性では運動の強化、女性では栄養状態の改善が、機能状態の維持に特に有効であることを示唆している。
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