哲学を学ぶ理由
エントロピー増大の法則
これは、宇宙の大原則であり、生命の大原則であり、そして思想の大原則であると思う。
そこに、哲学を学ぶ意味がある。
身体の軸と対比させて、思考の軸として、簡潔に説明する。
身体の軸
私たちの身体が安定して、負担の少ない動きをするためには、動的に安定して「身体の軸」をつくる必要がある。
世界最高峰の手挽きコーヒーミル、コマンダンテでコーヒー豆を挽いているときのスムースさは、軸の安定性によって得られる(コーヒーラバーにしか分からない例えですいません)。
ただ生命は常に合成と分解を繰り返しているので、あくまで動的に安定して「身体の軸」をつくることが大切である。
思想の軸
身体の軸と同じように、私たちが発狂せずに生きていくためには、これまた動的に安定した「思想の軸」をつくる必要がある。
ここに、私たちが哲学を学ぶ意味があるように思う。
そしてここでも大切なことは、「動的に」安定している、ということである。
私たちは、考え方に一貫した軸をもった人に憧れる。けどそれは、逆説的に、人間が思想に一貫した軸をもつことは(ほぼ)不可能であることの証明となる。
私たちは常にエントロピー増大の法則に晒されているのだから、「思想の軸」にも常に破壊されるエネルギーが働いている。つまり、私たちは常に「思想の軸」をつくり続けなくてはいけないのだ。
哲学は、私のような凡人には到底思い付かない思想の宝庫だ。
それに触れ続けることで、なんとか動的な平衡を保つ。
それが、動的に安定した「思想の軸」となる。
哲学を学ぶ理由は、そこにある。
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