【英論抄読】ボウリングの障害特性
▼ 文献情報 と 抄録和訳
ボウリング エリートテンピンボウラーにおける手首と手の職業性障害
[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Full text), Google Scholar
[はじめに]
ボウリングは非常に人気のあるスポーツであるが、参加者の使いすぎによる怪我と関連する研究はほとんど行われていない。本研究の目的は、エリートボウリング選手における一般的な上肢の愁訴の発生率を調査し、報告することである。
[方法]
マレーシア国内レベルのボウリング選手全員(n=39)を対象に、上肢の症状について質問票による評価を行った。ドケルバン腱鞘炎、テニス肘、ゴルファー肘、手根管症候群、トリガーフィンガーを除外するために、各被験者に焦点を当てた関連臨床検査が実施された。その後、選手は2時間ボウリングを再開した後、別の症状関連アンケートに回答した。
[結果]
疼痛が主に観察される症状であり、手首、薬指、中指、および親指に好発部位があった。De Quervain's tenosynovitisは被験者の53.8%(n=21)に認められ、トレーニング中とトレーニング後にそれぞれ52.4%と42.9%の被験者が痛みを感じていた。その他の反復性損傷関連障害も、プレーしていない肢や一般集団に比べてかなり多く見られた。
[結論]
de Quervain's tenosynovitisの発症率は、この集団では例外的に高いものであった。これらのアスリートにおける長期的な病的状態を予防するために、スポーツキネマティクスに関するさらなる研究が必要である。
▼ So What?:何が面白いと感じたか?
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最近、患者さんとこんな会話をした。
そんな会話をしながら、ふと思った。もちろん、ボウリングはやったことはあるが、それを医学的、運動学的な視点で考えたことがないと。
調べてみたが、『Bowling』で検索してもなかなかヒットしなかった。競技人口の影響なのか、スポーツ障害としての障害発生率の影響なのかは分からない。しかし、超高齢化社会の日本において、シニアスポーツとしてのボウリングのニーズは、一定数あるのではないかと感じた。実際、国内ではこんな調査がされている。
また、先行研究では障害部位や発生率の調査が多く、障害発生のメカニズムや、運動学的な検討を行った研究は少ない。ボウリングの投動作でこのようなフェーズ分けがされていることも知らなかった。
超高齢化社会の日本を元気にするため、シニアスポーツとしてのボウリングに注目していきたい。
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医療従事者と研究活動における道徳感についても記事にしていますので良かったら読んで頂けると嬉しいです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。
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