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歩行速度と歩行耐久性の予測因子は異なる?

▼ 文献情報 と 抄録和訳

パーキンソン病における歩行速度と歩行持久力の予測因子の違い

S Shearin, A Medley, E Trudelle-Jackson, et al.: Differences in predictors for gait speed and gait endurance in Parkinson's disease. Gait Posture. 2021;87:49-53.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

[背景] 歩行速度と歩行持久力は、パーキンソン病患者の自立と地域社会への参加に直接影響する。しかし、歩行速度と歩行持久力のパフォーマンスのばらつきを説明する要因は明らかになっていない。本研究の目的は,パーキンソン病患者の歩行速度に関連する主要な因子が,歩行持久力を予測するかどうかを検討することである。

[方法] 地域在住の歩行者であるPD患者を募集し、1回のセッションを行った。主要測定項目は,10メートル歩行試験(10MWT)と6分歩行試験(6MWT)、主要因子は、年齢、疾患重症度[Movement Disorders Society United Parkinson's Disease Rating Scale (motor scale only) (MDS-UPDRS motor)]、足底屈筋力[Calf Raise Senior (CRS)]、疲労[Fatigue Severity Scale (FSS)]、認知[Montreal Cognitive Assessment (MoCA)]、バランス[Four Square Step Test (FSST)]とした。臨床的な関係を明らかにするために、重回帰分析を行った。

[結果] 72名のPD患者(平均(標準偏差)(年齢=70.83(7.91)歳、男性50名、MDS-UPDRS motor=30.67(13.50))がすべての評価を完了した。歩行速度を予測するモデルは、F(6, 65) = 15.143, p <.001と有意で、分散の54%を占めた。予測変数のうち、年齢、MDS-UPDRS運動機能、CRS、MoCA、FSSTスコアが有意な予測因子であった。歩行持久力を予測するモデルは、F(6, 65) = 15.608, p <.001 と有意で、分散の 55 % を占めていた。予測変数のうち、年齢、MDS-UPDRSモータースケール、CRSスコアが有意な予測因子であった。

[考察] 歩行速度と歩行持久力は、年齢、運動障害、足底筋力によって同様の影響を受ける。しかし、認知とバランスは歩行速度のみの予測因子であり、歩行速度と歩行持久力には固有の課題の違いがあることを示唆していると考えられる。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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ポイント
認知機能とバランス能力は、歩行速度のみの予測因子であり、歩行耐久性とは関連がない

面白いと感じた理由
認知機能・バランス能力、これには”注意力”が関与するのでは?と思った。すなわち、認知機能の低下は周囲環境の変化により歩行の変化を生じやすくさせるだろう。バランス能力の低下は、歩行自体に対する”注意力”を酷使させる要因となるだろう。とても納得のいく結果である。#上から目線

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あと、個人的に気になった足底屈筋力[Calf Raise Senior (CRS)]に関する論文は以下のとおりだ。臨床的で使いやすい評価だと思う。

HI André, F Carnide, E Borja, et al.: Calf-raise senior: a new test for assessment of plantar flexor muscle strength in older adults: protocol, validity, and reliability. Clin Interv Aging. 2016;11:1661-1674.

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最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。

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