温冷交互刺激は温熱だけよりも効果的!?
▼ 文献情報 と 抄録和訳
ウェアラブルサーモデバイスによる温冷交互刺激が主観的・客観的肩こりに及ぼす影響
[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Full text), Google Scholar
[背景]
技術革新により、ペルチェ素子を用いた温熱・冷熱刺激を容易に制御・プログラムできる小型の装置が使用できるようになった。このウェアラブルサーモデバイスは、従来の造影剤浴療法に応用できる可能性を持っている。本研究では、ウェアラブルサーモデバイスを用いた温冷交互刺激(HC)が、肩こりの主観的・客観的改善に及ぼす影響を検討することを目的とした。
[方法]
健康な若年男性20名(20.3±0.6歳)が本研究に参加した。30分のタイピング課題後に、両側の僧帽筋にHC、温熱刺激、冷熱刺激、無刺激の4条件でランダムに介入を行った。各介入は少なくとも1週間の間隔をおいて行われた。分析肢は利き腕とした。筋硬度は携帯型筋硬度計を用いて評価し、刺激部位の皮膚温度も測定した。各条件終了後、参加者に爽快感、筋硬度、筋疲労の主観的改善について11段階の数値評価尺度を用いてフィードバックを求めた。
[結果]
筋硬度に関しては、HC条件のみが1.43Nから1.37Nへと有意に減少した(d = 0.44, p < 0.05)。さらに、HC条件における筋硬度の低下は、介入中の皮膚冷却の程度と関連していた(cold max: r = 0.634, p < 0.01; cold change: r = -0.548, p < 0.05 )。リフレッシュ感、筋肉のこわばり、筋肉疲労の主観的な改善は、無刺激条件と比較して、HC条件と熱刺激条件で判定された(それぞれ、p < 0.01, p < 0.05)。さらに、HC条件では、寒冷刺激条件と比較して、筋肉のこわばりや疲労の改善が有意に大きかった(p<0.05)。
[結論] 本研究では、HCは筋硬度や疲労感などの自覚症状の改善を促すだけでなく、筋硬度の低下を促すことが明らかとなった。さらに、HC時の皮膚温冷却の程度と筋硬度の低下との間に関連性が認められた。今後、冷却の比率や強度についてさらに検討を行い、筋硬直や疲労に対する最適なHCプロトコルを確立する必要がある。
▼ So What?:何が面白いと感じたか?
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温熱療法、寒冷療法は個別にであれば臨床でもよく用いられているが、確かに温冷交互刺激はまだ一般的に用いられている印象はない。
面白いのは、温熱療法だけよりも効果的、という点である。
パソコン作業が多い私も正直めっちゃ欲しい、、、と思った。商品化される日も近いのではないだろうか。
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最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。
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