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【英論抄読】「私、普段よく運動している!」この感覚が、主観的な健康に繋がる
▼ 文献情報 と 抄録和訳
アイルランド人集団における身体活動と精神的健康
Bowe AK, Owens M, Codd MB, Lawlor BA, Glynn RW. Physical activity and mental health in an Irish population. Ir J Med Sci. 2019 May;188(2):625-631.
[ハイパーリンク]
[背景]
身体活動は、ポジティブなメンタルヘルスを経験する可能性の増加と関連する可能性のある、修正可能な行動である。
[目的]
本研究の目的は、アイルランドの成人集団において、自己評価による身体活動と、ポジティブおよびネガティブなメンタルヘルスの主観的指標との関連を検討することであった。
[方法]
集団ベースの観察的横断研究のデータに基づき、参加者は国際身体活動質問票(IPAQ)を用いて、推奨身体活動要件を満たしていると報告した人と満たしていないと報告した人に分類された。自己申告のポジティブおよびネガティブなメンタルヘルス指標は、それぞれSF-36健康調査票のエネルギー・活力指数(EVI)およびメンタルヘルス指数-5(MHI-5)を用いて評価された。二項ロジスティック回帰を用いて、自己申告のポジティブおよびネガティブなメンタルヘルスと独立して関連する変数を同定した。
[結果]
合計7539人の回答者が分析に含まれた。全体として、32%が推奨される最低限の身体活動要件を満たしていると報告した。自己報告のポジティブおよびネガティブなメンタルヘルスは、回答者のそれぞれ16%と9%が報告した。推奨される身体活動要件を満たしていると報告した人と比較して、身体活動を行っていない人は、ポジティブなメンタルヘルスを報告する可能性が3倍低く(調整オッズ比(OR)0.39、95%信頼区間(CI)0.28-0.55)、ネガティブなメンタルヘルスを報告する可能性が3倍高かった(OR 3.27、95%CI2.38-4.50)。
[結論]
推奨される身体活動要件を満たしていると報告した人は、満たしていない人と比較して、ポジティブな精神的健康を経験していると報告する可能性が高く、ネガティブな精神的健康を経験していると報告する可能性が低いことが示された。身体活動に関する今後の政策展開では、身体的および精神的な健康アウトカムに対する身体活動の影響を認識する必要がある。
▼ So What?:何が面白いと感じたか?
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『主観的に』普段よく身体を動かしている!と思っている、思えることで、『主観的に』健康である可能性が高まる。非常に面白い研究である。
気の持ちよう、なんてよく言ったりするが、人間は甚だ主観的な生き物なんだということに気づかされる。
この、主観性、ということを、リハビリテーションにおいてもっと大切にすべきだと改めて思った。
また、「私、普段よく運動している!」といった感覚は、ある種、「心理的な安心感」を生むのだろう。この安心感はどのような要因でより生じやすくなるのか、調べていきたい。
▶臨床への示唆
日々の身体活動量や、リハビリ時の歩行量を記録しておき、「先週と比較してこれだけ歩行量が増えました~」といったフィードバックを行う。
目的:健康関連QOLの向上
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医療従事者における道徳感についても記事にしていますので良かったら読んで頂けると嬉しいです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。
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