内線の世界線にひろゆきあり
デスクには僕と定年再雇用のおじさんだけしかいなかった。会議に出ている先輩の内線が鳴っている。僕は電話に出た。電話に出て所属と氏名を名乗る彼…僕のセンサーが反応した。
内線で問い合わせしてくる人は、ほとんど自分で調べずにとりあえず聞こうと内線してくる人が少なくない。調べないとわからないような建て付けにしているそっちが悪いというスタンスで来る人が中には居て、厄介なこともある。
内線というのはそんな世界が広がっていて、社外の人であればそんな態度をしないであろう人も社内だからなのか攻撃的な人がちょくちょくいる。
今回の問い合わせも、僕は間違いないように提供しているサービスの制度について事実をお伝えした。
すると先述の社内に対して攻撃的な人であった。
センサービンゴ。
「この制度では客先は納得しない。それをあなたは言えるんですか?」と詰め寄る彼。おそらく彼はこれじゃあ自分は客先に説明できずに策がない、助けて欲しいのだとは思う。それならそれで素直にそう言ってくれたらいい。なぜこちらに矛先を向けるのか。そんな矛先を向けられてしまった人間は手を取ろうとは思えないよ。そんな交渉をしているようだから客先との商談も…と想像がついた。
僕は事実と感想を分けて話すことにした。僕の脳内には完全にひろゆきがよぎった。理屈で詰めてしまいそうになる自分はひろゆきのモノマネをしているかのようで、話しながら僕はちょっと楽しんでしまった。ひろゆきの配信を見過ぎだ。途中でひろゆきを抜いたプレーンな僕はクロージングして終話。
人格を内線モードと外線モードがあるんだろうが、縁を切れない内線という世界線の方が数倍ややこしい。
なんともならず、ここぞというときに僕はひろゆきモードで挑むこととしよう。
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