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【 ZINE REVIEW 】 COLLECTIVE エントリー ③ ivy 『〇〇メガネ』(東京都千代田区)

47都道府県のさまざまな地域から ZINE がたくさん集まってきております COLLECTIVE 。ある種『流行り』とも言える ZINE の展示販売イベントですが、毎夏開催されるほかの店での ZINE イベントと我々の違いは COLLECTIVE = 集合的であるという点でしょう。応募して在庫を送って売ってもらうという販路拡大という行為自体は同じなんですが、1つのテーマでソートされることによって、ZINE に付加価値が生まれ、浮かび上がってくる=棚の中に埋もれてしまわないというのが利点です。

ウェブマガジンでもカテゴリーでソートした方がほしい情報にたどり着きやすいように、コンビニで棚のカテゴリーが分かれているように、です。ネームバリューだけでただ集めて売って、マージンだけ取られるんじゃあつまらないし、作家がかわいそうだなって思う。

ぼくらが売りたいのは ZINE ではなく、コミュニケーションだから、小さな声とも言えるメディア ZINE はもっと自由でいいし、みんなで集まることで、多様性を感じ、受け入れて、理解しあって、認め合って、進んで行こうじゃないかと考えるわけです。それはこのイベントだけに限らず、表現を愛する人、カルチャーを愛する人のテーマであり、責任でもあるかと思います。このレビューの存在もそう。会期が終了したら終わりではなく、参加してもらったからにはしぶとく絡んで行きますよ、パークは。

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興味を惹かれる人がやたらメガネ率が高く、話を聞いてみたくなった。

いわゆる良質な ZINE の評価のひとつに「なぜ作った」という感覚がある。これを言われたら喜んでいい。「なぜ」という問いに対し「興味を持った時点ですでにはじまってしまっていた」「作らざるを得なかった」と答えるジンスタたちの姿勢はすばらしい。メリットの有無や無駄かどうかは、ZINE という美しきパーソナルな世界には通用しない。損得感情で作られるものは「仕方がない」と言った顔をしている。

その純度のあまり、
時々しっかりと胸の中にストンと落ちてくる。

東京在住の ivy(アイビー)くんによる ZINE『〇〇メガネ』はまさに『なぜ作った系』。7人の友人に会いに行きそのひとがかけている『メガネ』について取材し、まとめた1冊。「知らない誰かのメガネの話いる?」という言葉が思わず出そうになるけれど、この世界ではそれがエネルギーなのだ。

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気づいたらその人のスタイルや考え方について深掘りしていました。

ハナからこれが狙いだったんじゃないかなと思う。どんな人にもアイデンティティやバックボーンがある。向き合うことが大切なんだと、『会いたい人』を彼なりにメガネでソートしたのだろうと想像する。さて、ぼくらは果たして近くにいる友達や恋人と、こんな風に深く向き合ってるのかな。会いたい人に会いに行けているのかな。『なぜ作った系』の ZINE はその純度のあまり、時々しっかりと胸の中にストンと落ちてくる。しかもワンコインとかで。

雑誌はもちろん、サブカル全般を愛する ivy くんの今後の創作活動に期待です。


レビュー by 加藤 淳也(PARK GALLERY)

 

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作家名:ivy(東京都千代田区)
会社員で物書き、サブカルクソメガネ。
自己満 ZINE 製作や某 WEB メディアでのライターとしても活動。
創り手と語り手、受け手の壁をなくし、ご近所付き合いのように交流するイベント「NEIGHBORS」主催。
日々出会ったヒト・モノ・コトが持つ意味やその物語を勝手に紐解いて、タラタラと書いています。日常の中の非日常、私にとっての非常識が常識の世界、そんな出会いが溢れる毎日に、乾杯ッ!
https://www.instagram.com/ivy.bayside
【 地域の魅力 】
歴史が長いけれど、絶えず変わりゆく街であること。
【 地域のオススメ 】
KUFUKU(ビストロ) … お腹いっぱいになる、お酒に気持ちよく酔う、そういうレストランの基本的なあり方を超えた、食を通した体験提供のお店です。日々目の前にするモノへの見方が変わります。
https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131101/13233744/


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