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チョコレートの祭典、サロン・デュ・ショコラ。

サロン・デュ・ショコラをご存じだろうか。
20年ほど前から日本でも主に三越伊勢丹で開催されている国内最大級のチョコレートの祭典である。
日本でも有名なHUGO&VICTOR(ユーゴ&ヴィクトール)やAlain Ducasse(アラン・デュカス)の出店もあり、代表作や最新トレンドのチョコレートを見つけることができる。
今回は、人混み&列に並ぶことが苦手なパリ女が世界中からのチョコラヴァーズが集う祭典に行ったレポート。


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「パリと東京で頑張る女たち」で検索してください。
note未公開のエピソードについても語っています。



私は昔から人混みが苦手だ。
子供の頃から夏祭りも屋台で食べ歩きをするのではなく、浴衣を着て近くのカフェに座ってお神輿を眺めるのが好きだった。
その先にどんないいものがあろうと列に並んで待つことも苦手なので、愛してやまないディズニーランドではパスを駆使して攻略する。

だからフランス人のみならず外国人観光客で溢れかえるイベントには行ったことがなかった。
ところがこの夏日本に一時帰国した時、知り合いの高齢マダムから言われた一言がきっかけで私は超人混みサロンへ足を運ぶことになる。
「パリはいいわねぇ。私チョコレートが大好きなのよ。サロンなんとかっていうチョコレートの行事に行ってみたかったわぁ。」
そうだ、私はパリに住んでいるからこういう機会があるのか。機会は活用せねば!
そう思い立ちネットで調べたところ丁度近い日程で開催予定があった。
思い立ったが吉日、速攻チケットを買った。

チケットは当日会場でも買えるが、公式サイトでオンラインで事前購入がスムーズ。

大人1人14ユーロ(約2000円)ぐらい。
場所はイベント会場といったらここ、Porte de Versailles(ポルト・ド・ヴェルサイユ)。

着いて人の多さに驚愕した。
人、人、人… 入り口付近はもはやチョコレートなど見えない。
世の中にはチョコレート好きがこんなにいるとは。

土曜日だからと遅くまで寝ており、急いで着替えて来たのでこれが朝ごはんになった。カカオのビール。

売り場のムッシュの顔からは想像できないぐらいさっぱりとしたビールに、後から攻めてくるチョコレートの風味。なかなか個性的だ。

世界中から代表者が参加するパティスリーのコンペティションには人だかりができていた。

ちょうど私たちがいた時間はフランス代表が参加しており、代表者の名前入りのTシャツを来た応援団たちが観客席を占めていた。国旗を振り国歌を歌い、応援の仕方はサッカー並で実にアツい。

それからサロン・デュ・ショコラをちょっと知っている人ならこのイメージがあるはずのチョコレートのファッションショー。

展示されたコスチュームたちが実に美しい。
チョコレート好きならちょっと着てみたくなってしまうのでは。

フランスのみならずアジア、アフリカ、南アメリカからの出店もあり、それぞれのパティシエや地域特有の材料を使った珍しいチョコレートもあった。

ちょっとおパリなエスプリの店舗も。

今回一番記憶に残ったのは、ビュッシュドノエルの展示。
フランスでクリスマスのケーキといえばビュッシュドノエルだ。
ホテルの有名なパティシエたちの、どこからどう見ても本来のコンセプト=ビュッシュ(丸太)を無視したケーキが芸術的だった。

中でもマンダリンオリエンタルの扇のケーキの美しさは格別。
事前予約できるので、今年のクリスマスはこのケーキにしようかな。

会場でもいくつか初めて見る出店者のチョコレートやパティスリーを食べたが、せっかく来たからと家に持ち帰り用に選んだのは、Pralus(プラリュス)のブリオッシュPraluline(プラリュリーヌ)。リヨン名物のピンクのプラリネがこれでもかというぐらい練り込まれている見た目も美味しいブリオッシュだ。

実はこれ、パリ市内だけで3店舗あって時々買いに行っている。
最新の珍しいチョコを買うぞ!と意気込んでいたにも関わらず、やっぱり惰性が勝ってしまった。好きなものを買いたいという気持ち、これには勝てない。


週末ということもありあまりの人の多さに入り口で引き返したくなったが、結局3時間居座った。小さな嗜好品にこれだけのクリエイティブなアイディアを詰め込めるのだ。まさに一見の価値あり。

パリのサロン・デュ・ショコラに着いて聞かれたらこう答える。

めちゃめちゃ混んでるけど、絶対行った方がいい!


チョコレート、甘いものが好きな人、ぜひ足を運んでみては。

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