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さよなら、わたしの無職共和国

こちらは、過去の傷を癒すために書いたエッセイです。
数年前、「もう人生いつ終わってもいいな」と1人うずくまっていた時期のこと。でも、そろそろ書いて浄化できる気がしたから。「もう過去のことです。終わりました」とするために。

わたしは自分を大切に、大切にされる世界に進みます、とするために。

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・今まで言えなかった無職時代の出来事
・会社員は安心??
・ずっと会社員だった知人の衝撃の一言
・これから作りたい未来
・自分への扱い方が、他人からの扱い方になる

こんな方におすすめです
• 人生の岐路や転機に立ち、次に進むためのヒントを探している方
• 周囲の目や評価に傷つきながらも、自分を取り戻したいと願っている方
• 過去の傷や経験を乗り越えて新しい未来を作りたいと思っている方




***


「ずっと無職じゃ大変でしょw」

ひとり、環境を変えたくてシェアハウスに暮らしていた頃、上階の男性からもらったLINE。

あの時のわたしは、母を突然亡くして、家族はみんなおかしくなって、自分も生きているんだか死んでるんだかわからないような宙に浮いているような感じだった。

だけど、なんとか生きていかなくてはいけない。生活を立て直さなくてはいけない。誰もわたしを知らない場所へ行きたかった。だけど、ひとりぼっちは耐えられなくて、せめてシェアハウスを選んだ。

独立した部屋があって、リビングに降りれば誰かがいる。それが安心だと思っていたのだ。

実際に暮らしてみると、ほとんどの住人は学生さんだった。ドラマとかでよくみる、ちょっと寂しくて下に降りたら、いい感じの大人たちがお酒片手にまったりリビングで談笑するような、そんな温かい感じではなくて。

キャハハ!と笑い声がして明かりがついているのをみるとサッと自分の部屋に戻り、誰もいない時間を見計らってサササと調理するような、わたしはそんな根暗な女だった。

ある日、一人の男性と玄関ですれ違った。挨拶をした。リビングで次の日からのお弁当用おかずをタッパーに詰めていると、その男性も入ってきた。

多分、あんまり覚えていないけれど、少し雑談をした。

次の日、わたしの郵便受けに手紙が入っていた。LINEのIDが入っていた。

あの頃のわたしは、とても寂しくて、毎日仕事に行ってはいたのだけど、いつも泣き出しそうな感じで。不安定で。

それを周りの職員さんも察して優しくしてくれるんだけど、どこか気を遣われているな、申し訳ないなと感じていた。

とにかく、仕事後、夜にひとりになるのが怖くてたまらなかった。

一緒に夜ご飯に行ってくれた子もいる。今思えば、なんて恵まれていたのだろう。

だけど、当時のわたしはそのやさしさすらも受け取れず、「わたしのいないところで、陰で他の子達とめんどくさい〜って、ボロカス言っているんだろうな」と被害妄想ばかり抱えていた。

そうして、あるとき、涙が止まらなくなり、家でも動悸がするようになり、仕事をやめた。あんなにお世話になったのに、情けなくてつらかった。だけど、何もかも捨てて、逃げ出したかったんだ。

だから、嬉しかった。わたしに好意を寄せている、少なくとも話したいと思ってくれている男性がいることに。さみしくて、さみしくて、仕方がなかったから。話し相手ができたのかもと思った。

だけど、いきなり部屋に来ないかと言われても行くようなバカではない。そのLINEがきた瞬間、察した。うげ。

断りの連絡を入れると……


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