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33 新年の目標設定のコツ:脳の仕組みを活かした子育てメンタルトレーニング

新年の目標を立てるとき、脳の仕組みを理解し活用することで、目標達成の可能性を大きく引き上げることができます。特に子育てでは、親子で一緒に目標を立て、そのプロセスを楽しむことが子どもの成長や自信の向上につながります。本記事では、脳科学の視点から、新年の目標設定のコツと注意点を解説します。

1. 脳は繰り返しで学習する:シナプスの強化


目標を繰り返し意識し、行動を積み重ねることで、脳内の神経回路(シナプス)が強化されます。この仕組みは**シナプス可塑性(synaptic plasticity)**と呼ばれ、繰り返すほど「目標に向かう考え方」や「行動」が自動化されます。

子どもへの応用:
• 毎日同じ目標を短い言葉で繰り返して伝えたり、子ども自身に口に出させることで、目標達成の回路が脳に刻み込まれます。
• 例:「今日は宿題を終えたら10分一緒に本を読もう」といった小さな目標を毎日伝える。

2. RAS(網様体賦活系)の働きを活用する


脳の中にある**網様体賦活系(RAS)**は、膨大な情報の中から「重要だ」と認識したものを優先的に処理するフィルター機能です。目標を繰り返しイメージし、具体化することで、RASがその目標を「重要事項」と判断し、目標達成に必要な情報やチャンスを見つけやすくなります。

子どもへの応用:
• 子どもに目標を「達成後の姿」を含めて具体的にイメージさせる。
• 例:「逆上がりができるようになったら、どんな気持ちになって、誰に見てもらいたい?」と具体的な情景を話し合う。

3. ドーパミン分泌でモチベーションを高める


脳は、目標達成やそれに近づいた瞬間にドーパミンという報酬ホルモンを分泌します。ドーパミンは「もっと頑張ろう」という意欲を高める役割を果たします。このため、目標を小さく分解し、少しずつ達成感を味わえるようにすることが効果的です。

子どもへの応用:
• 目標を細かいステップに分け、それを達成するたびに褒める。
• 例:「今日は鉄棒で10秒ぶら下がれたね!次は15秒を目指してみよう。」

4. 五感を使って具体的なイメージを描く


脳は具体的な情報や五感を伴ったイメージを「現実」として捉える特性があります。目標を抽象的に語るのではなく、視覚、聴覚、触覚などを使ってイメージを鮮明にすると、脳内でその目標が強く刻み込まれます。

子どもへの応用:
• 親子で目標達成後の様子を想像してみる。
• 例:「逆上がりができたら、みんなが拍手してくれて、お父さんもすごいね!って言うよね。」

5. ストレスを減らす「プロセス目標」の活用


脳は、曖昧さや達成不可能な目標に対してストレスを感じる傾向があります。目標を「プロセス目標」に分解することで、達成感を味わいやすくなり、ストレスを軽減できます。

子どもへの応用:
• 子どもが取り組みやすい小さな目標を設定し、具体的な行動に結びつける。
• 例:「毎日1回だけ鉄棒に触れてみる」といった、小さな行動を設定。

6. 失敗を学びとして捉え、ネガティブな反応を防ぐ

失敗したとき、脳はストレスホルモン(コルチゾール)を分泌しますが、親が失敗をポジティブに捉える姿勢を見せることで、子どもの脳も「次に活かせる」と学習します。

子どもへの応用:
• 失敗したときに「どうしたらもっと良くなるかな?」と一緒に考える。
• 親自身が「次はこうしてみよう!」と前向きな態度を示す。

7. 振り返りを習慣化する


目標を達成するためには、定期的な振り返りが効果的です。振り返りを通じて、達成したことに注目し、改善点をポジティブに捉えることで、脳が次の行動を計画する準備を整えます。

子どもへの応用:
• 家族で「1週間の振り返りタイム」を設け、できたことに注目する。
• 例:「今週楽しかったことランキング」を一緒に話す。

実践例:親子で楽しむ新年の目標設定

親の目標
• 目標: 「毎朝10分運動をする」
• プロセス: 「朝起きたら体操の動画を見ながら一緒にストレッチをする」
• イメージ: 「1か月後、健康診断で体重が減って嬉しい気持ちになる」

子どもの目標
• 目標: 「逆上がりができるようになる」
• プロセス: 「毎日鉄棒で腕を鍛える練習をする」
• イメージ: 「運動会で成功して友達に褒められる場面を想像する」

まとめ


脳の仕組みを活用した目標設定は、子どもにとって「楽しく前向きに取り組める経験」を作り出します。具体的なイメージを描き、ポジティブな小さなステップを積み重ねることで、子どもは自分の可能性を信じ、失敗を恐れず挑戦する力を育てられます。親子で脳の仕組みを意識しながら、一緒に成長を楽しむ1年を作りましょう!

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