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22 子育て中に意識したいストレスとの向き合い方

子育てをしていると、親自身が知らず知らずのうちに子どものストレッサーになってしまうことがあります。しかし、ストレスを明確化し、適切に向き合うことで、子どもはその経験を成長の糧に変えることができます。本記事では、私自身の子育ての具体例を交えながら、子どものストレスをサポートするために意識すべきポイントをまとめました。

親がストレスを感じるときの脳の仕組み


まず理解しておきたいのは、親自身がストレスを感じているとき、脳がどのように働いているかです。人間の脳は進化の過程でネガティブな情報に敏感になるように設計されています。これは「危険を回避する」ために必要な反応ですが、現代のように危険が少ない環境では、必要以上に防御本能が働きやすくなります。

親がストレスを感じると、脳の「扁桃体」が活性化し、怒りやイライラなどの感情を増幅させます。同時に「前頭前野」の働きが抑制され、冷静な判断力や共感力が低下します。その結果、感情的な行動や言葉が出てしまい、子どもにきつく接してしまうことがあるのです。

この仕組みを知ることで、「自分は今ストレスを感じているから冷静さを欠いている」と気づきやすくなり、行動をコントロールする助けになります。

1. 子どもがストレスを言語化できるようサポートする


例えば、息子が学校での発表を前に緊張している様子を見て、「何が心配なの?」と声をかけました。最初は「全部が嫌だ」と曖昧な答えしか返ってきませんでしたが、さらに「どの部分が一番嫌だと思う?」と質問を重ねることで、「みんなの前で失敗するのが怖い」と具体的な答えが出てきました。

質問例:

“どんなことが気になってるの?”

“そのとき、どんな気持ちになった?”

“もしそのストレスがモンスターだったら、どんな姿だと思う?”

このように、子どもの気持ちを引き出す対話を心がけています。

2. ストレスの原因を一緒に整理する


息子が友達とうまく遊べないと悩んでいたとき、「どうしてそう思うの?」と聞くと、「自分が遊びに誘っても断られるから」と言われました。そこで、「他に誘い方を考えてみるのはどう?」と一緒に解決策を探しました。

やり方:

問題を「自分でコントロールできる部分」と「コントロールできない部分」に分ける。

コントロールできる部分に注目し、具体的な行動を一緒に考える。

例:
問題: 明日の発表が怖い

コントロールできる部分: 練習する、先生に質問する

コントロールできない部分: 聴衆の反応

息子と話す中で、焦点を絞るだけで彼が安心する様子を見て、対処の方法を整理する重要性を再認識しました。

3. ストレスを具体的に例える


息子が「宿題が多すぎてやる気が出ない」と言ったとき、私は「宿題を全部一度にやろうとすると大きな山みたいに感じるけど、小さい石に分けて一つずつ片付けたらどうかな?」と伝えました。これにより、彼は「とりあえず1ページやる」という目標に取り組み始めました。



“ストレスは風船みたいなもの。膨らみすぎる前に、空気を抜く方法を見つけよう。”

“ストレスは霧みたいなもの。じっとしていると怖いけど、少しずつ歩けば抜けられるよ。”

4. 怒りにまかせない伝え方を心がける


息子が時間を守らなかったとき、私は一瞬イライラして怒りそうになりましたが、深呼吸をして「どうして遅れちゃったのか教えて」と冷静に聞きました。彼の理由を聞くと、時計の読み間違いが原因でした。このように感情をぶつけるのではなく、問題を共有して解決策を考えることを意識しています。

「Iメッセージ」で伝える:

「あなたが約束を守らなかったから怒っている」ではなく、「約束が守られないとお父さんは困ってしまう」と伝える。

行動に焦点を当てる:

「なんでできないの!」ではなく、「この部分をどう改善すればいいかな?」と問題解決を促す。

5. ポジティブな視点でストレスを捉える


息子がスイミングのテストで不合格になったとき、「できなかったところを次回に向けて練習しよう」という話をしました。すると、彼は「次はあのターンを完璧にしたい」と前向きに考えるようになりました。

例:

“緊張しているのは頑張りたい気持ちの表れだね。”

“ドキドキするのは、自分がその発表を大切に思っている証拠だよ。”

ストレスを「乗り越える力」として捉え、ポジティブな側面にフォーカスすることで、子どもの自己肯定感を高められます。

まとめ


私自身、日々子どもとの関わりの中で、「曖昧な感覚を具体的に」「叱るのではなく導く」という意識を持つようにしています。そして、子どもと一緒にストレスの正体を探り、その対処法を見つける過程は、親子の信頼関係を深める大切な時間になっています。

また、親がストレスを感じるのは自然なことですが、その仕組みを理解し、自分の感情をコントロールすることで、より冷静に子どもに向き合えるようになります。このプロセスを楽しむことで、子どもも「ストレスとの向き合い方」を自然と学んでいくと感じています。

皆さんもぜひ、自分の子どもとのエピソードを振り返りながら、ストレスとの付き合い方を一緒に探ってみてください!

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