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73 【co-育てメントレ日記】雪の日がくれた「つながり」の力

昨日、大雪が降った。
一面真っ白になった景色を見て、「雪かきしなきゃ」と外に出ると、お向かいさんも同じタイミングで雪かきを始めていた。互いに無言のうちに雪をどかしながら、少しずつ会話が生まれ、気づけば一緒に近くの公園で遊ぶ流れになった。

雪かきから遊びへ。たった数十分の出来事だったけど、不思議なほど心が温かくなった。
これは、ただの「ご近所づきあい」ではなく、**「同じ環境で、同じ体験をすることが、自然なつながりを生む」**という人間の心理が働いた瞬間だった。

🧠 人は「共有体験」でつながる


心理学では、「共有体験効果」や「同調効果」と呼ばれる現象がある。
同じ時間、同じ空間で、同じ体験をすることで、人との距離は一気に縮まる。

例えば…
✅ スポーツ観戦で同じチームを応援すると、知らない人ともハイタッチできる
✅ ライブやフェスで一緒に盛り上がると、仲間意識が生まれる
✅ 修学旅行や合宿で一緒に過ごすと、普段よりも深い関係になる

なぜ、こんなことが起こるのか?
それは、脳の**「ミラーニューロン」と「オキシトシン」**の働きによるものだ。

🔹 ミラーニューロン:「共感を生む神経回路」
→ 相手と同じ行動や感情を共有すると、脳が「この人は仲間だ」と認識する。

🔹 オキシトシン:「絆を深めるホルモン」
→ 共有体験をすると、オキシトシンが分泌され、心理的な距離が縮まる。

つまり、雪の日に同じ空間で雪かきをし、その流れで遊ぶという体験を共有したことで、自然と親しみが生まれたというわけだ。

👶 子育てに活かせる「共有体験の力」


この経験を子育てに置き換えると、親と子どもが深くつながるためのヒントが見えてくる。

① 一緒に「非日常」を体験する

人の記憶に残るのは、「特別な出来事」。
🌱 キャンプや旅行など、普段と違う場所での時間
🌱 大掃除やDIYを親子で一緒にやってみる
🌱 「雨の日に外で遊ぶ」「夜に星空を眺める」など、ちょっとしたイベントを作る

② 感情を共有する時間を増やす

🌱 一緒に映画を観て「どう感じた?」と話す
🌱 美味しいものを食べたら「この味、最高だね!」と感情をシェアする
🌱 「今日こんなことがあったよ」と、日常の小さな出来事を会話にする

③ 子ども同士の関係を深める場を作る

🌱 修学旅行や合宿、イベントなどの「共同体験」は友達を深めるチャンス
🌱 チームスポーツやグループ活動を通じて、協力しながら成長する場を用意する

⛄ まとめ:「環境が人をつなげる」


昨日の雪かきのように、同じ時、同じ空間で、同じものを共有することが、心の距離を縮める。
これは、子育てでも教育でも、職場でも同じことが言える。

「何を話すか」よりも「何を一緒にするか」が、信頼関係を生む。
特別な体験の中で交わされる言葉や笑顔は、脳に深く刻まれ、長く記憶に残る。

だからこそ、日々の中に「一緒に体験する時間」を意識的に増やしていきたい。
たとえ、それがほんの些細な出来事でも、その積み重ねが子どもの心の支えとなり、大人にとってもかけがえのない時間になるのだから。

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