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83 「失敗したくない」「自信がない」は悪くない 〜挑戦するすべての人へ〜

「失敗したくない」「自信がない」と感じることは、決して悪いことではありません。むしろ、これは脳の生存本能による自然な反応です。

脳はもともと変化やリスクを避けたがる性質を持っています。しかし、だからこそこの感情をうまく活用すれば、成長のチャンスに変えることができます。

挑戦する人が成長し続けるために必要なのは、小さな成功を積み重ねること。その積み重ねが大きな成功へとつながります。今回は、脳神経科学の視点から自信を育てるメカニズムとそのための実践的な方法をお伝えします。

「自信」はどうやって生まれるのか? 〜脳神経科学の視点〜


1. 自信とは「記憶の積み重ね」

自信は単なる気持ちの問題ではなく、脳の記憶システムと深く関わっています。

脳の**海馬(hippocampus)**は、「過去の成功・失敗」を記憶する役割を持っています。そして、**扁桃体(amygdala)**は「危険やストレス」に反応し、警戒モードを作り出します。

このとき、成功体験が少ないと扁桃体が過剰に反応し、「自信がない」「失敗したらどうしよう」といった不安を引き起こします。しかし、成功体験を積むことで海馬が「大丈夫、やればできる」と記憶し、扁桃体の過剰な警戒を抑えるのです。

つまり、自信とは**「過去の成功体験の記憶」**の積み重ねによって作られるものなのです。

2. 成功体験がドーパミンを生み出す

成功すると、脳内でドーパミンが分泌されます。ドーパミンは「やる気」や「快感」を司る神経伝達物質で、報酬系(mesolimbic system)を活性化させます。

成功 → ドーパミン分泌 → やる気が出る → さらに挑戦

この流れができると、行動が習慣化され、最終的に「挑戦することが楽しい」という状態に変わります。

しかし、いきなり大きな成功を目指すと、脳が「無理だ」と判断し、扁桃体が不安を感じてしまいます。そこで大切なのが、次に紹介する「小さな成功の積み重ね」です。

110%理論:「ちょっと高め」の目標を設定する

なぜ110%がちょうどいいのか?


「いきなり大きな成功を目指すのは難しい」と感じるのは、脳がストレスを回避しようとする仕組みが働くからです。

しかし、110%理論に基づき「ほんの少しだけ高めの目標」を設定すると、脳は「これは達成できそう」と判断し、ストレスを感じにくくなります。

たとえば、
✅ 10分だけ勉強しよう → 12分できた!
✅ 1日3回運動しよう → 4回できた!
✅ 毎日1つの新しいことに挑戦しよう → 2つできた!

このように、少しずつ成功体験を積み重ねることで、海馬が「できる記憶」を増やし、扁桃体の不安を和らげるのです。

「自信がない」からこそ動く!クイックインの力

「自信がついてから行動する」のではなく、「行動することで自信がつく」

脳科学的に、自信がないときにじっとしていると、不安を感じる扁桃体の活動が活発になり、ますます動けなくなることが分かっています。そこで重要なのが、クイックイン(Quick In)の考え方です。

クイックインとは?


「考える前にまず動く」こと。完璧を求めず、「とりあえずやってみる」ことで、成功体験を増やしやすくなります。

たとえば、
✅ 英語の勉強を始める → まず1ページ読む
✅ 筋トレを始める → とりあえず腕立て1回する
✅ 資格試験の勉強 → 1問だけ解く

こうして「ハードルを極限まで下げる」ことで、脳が「これならできる」と判断し、扁桃体の不安を抑えながら成功体験を増やせます。

小さな成功の積み重ねが、大きな成功を生む


「何かに挑戦する」とは、大きな山を登るようなもの。でも、一気に山頂を目指すのではなく、小さな一歩を積み重ねることが何よりも大切です。

今日の自分が、昨日の自分より少しでも成長できていれば、それは立派な成功。

大切なのは、「できたこと」に目を向けることです。

✅ 「今日の成功」を記録する(ノートやアプリでOK)
✅ 「できたこと」にフォーカスする(失敗ではなく成功を意識する)
✅ 「次の110%目標」を設定する(少しずつレベルアップ)

このサイクルを回すことで、気がつけば「自信を持って行動できる自分」になっています。

最後に:挑戦するあなたへ


「失敗したくない」「自信がない」と感じることは、決して悪いことではありません。むしろ、それは脳の自然な反応であり、挑戦している証です。

扁桃体の不安を減らし、海馬に「できた記憶」を積み重ねるために、110%理論とクイックインを活用する。

この習慣が、あなたの未来を変えていきます。

「自信がないからやらない」のではなく、「やるから自信がつく」。

まずは今日、小さな一歩を踏み出してみましょう。あなたの挑戦を、心から応援しています!

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