
86 親子の楽しみを「感情記憶×エピソード記憶の同時着火」にする 〜co-育てメントレの視点〜
親子での時間を「楽しい思い出」にすることは大切ですが、さらに一歩踏み込んで、脳に深く刻まれる「感情記憶×エピソード記憶の同時着火」を意識することで、子どもの成長や学びをより豊かなものにできます。
1. 「感情記憶×エピソード記憶の同時着火」とは?
脳の記憶にはいくつかの種類がありますが、特に**「感情記憶」と「エピソード記憶」が同時に活性化すると、体験が深く記憶に刻まれます。**
✅ 感情記憶(Emotional Memory) → 喜び・驚き・ワクワク・感動・怖さなど、感情が強く動いたときに記憶されるもの(扁桃体が関与)
✅ エピソード記憶(Episodic Memory) → 体験した出来事や状況をそのまま記憶するもの(海馬が関与)
たとえば、
「旅行に行った」だけだと記憶は薄れるが、「旅先で最高の景色を見て感動した!」という体験はずっと覚えている」 という経験はありませんか?
これは、エピソード(出来事)と感情が同時に活性化されたことで、脳の記憶に強く刻まれた結果です。
2. 親子の楽しみを「感情記憶×エピソード記憶の同時着火」にする方法
① 「ワクワク」や「感動」を体験に組み込む
感情が動くと、記憶の定着率が格段に上がります。親子の時間をただの「遊び」にするのではなく、ワクワク感や感動を引き出す工夫をすることで、記憶に残る体験になります。
🚀 親子バイクツーリング → 初めての道を走るドキドキ感、新しい景色を発見するワクワク感
🔥 キャンプ → 焚き火の炎を見つめながらの会話、初めてのテント泊の特別感
🚄 乗り鉄・旅行 → 地図を見ながら次の目的地を決めるワクワク感、未知の場所に降り立つドキドキ感
こうした体験を**「特別な思い出」ではなく「感情と結びついた記憶」にする**ことが重要です。
② 五感をフルに使って体験する
「視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚」の五感を刺激すると、記憶の定着がさらに強まります。
例えば、
• 視覚 → 美しい景色、夜空の星、バイクで走る道の風景
• 聴覚 → 風の音、鳥のさえずり、電車の走る音
• 触覚 → 焚き火の温かさ、ハンドルの振動、砂浜の感触
• 嗅覚 → 炭火で焼いた肉の匂い、潮風の香り、森の木々の香り
• 味覚 → キャンプ飯、旅先の名物料理、親子で作った料理
五感をフルに使うことで、記憶がよりリアルに再生されやすくなり、体験の価値が高まります。
③ 「共同作業」を取り入れる
人間の記憶は、「自分が関わったことほど強く残る」傾向があります。
🚲 親子バイクツーリング → 一緒にルートを考える、給油やメンテナンスを手伝う
🏕 キャンプ → テントを張る、火を起こす、料理を作る
🚆 乗り鉄旅 → 子どもが時刻表を見て次の電車を選ぶ、切符を買う
「親がすべて用意する」のではなく、子ども自身が手を動かし、意思決定に関わることで、「自分ごと」として深く記憶されます。
④ 体験を言語化する(振り返る)
脳は「思い出す」ことで記憶を定着させます。そのため、体験後に振り返ることで、記憶がより強化されます。
🚗 帰り道の車の中で → 「今日の一番楽しかったことは?」
📝 旅ノートを書く → 「どんなことを感じた?」
📸 写真を見ながら会話する → 「このとき、何を思ってた?」
「感情を伴う記憶」を「言葉にする」ことで、さらに脳に深く刻まれます。
3. 「感情記憶×エピソード記憶の同時着火」を活用した親子の時間
私は、親子でバイク教室、キャンプ、タンデムツーリング、車中泊の旅、乗り鉄、観光などを楽しんでいますが、それをただの遊びではなく、「感情記憶×エピソード記憶の同時着火」として意識的に活用しています。
例えば、
✅ キャンプで焚き火を囲みながらの親子トーク → 炎の揺らぎ(視覚)+パチパチという音(聴覚)+温かさ(触覚)+煙の匂い(嗅覚)→ 「特別な時間」として記憶に残る
✅ 四国の絶景スポットでのツーリング → 風の心地よさ(触覚)+道の景色(視覚)+エンジン音(聴覚) → 親子の冒険として記憶に刻まれる
✅ 乗り鉄の旅で、初めての駅に降り立つ → 期待感(感情)+駅の空気(嗅覚)+車両の違い(視覚) → 旅の記憶として深く残る
4. まとめ:親子の時間を「脳の記憶に残る」ものにする
✅ ワクワクや感動を体験に組み込む(感情を動かす)
✅ 五感をフル活用する(記憶の定着を強化)
✅ 共同作業を取り入れる(体験を「自分ごと」にする)
✅ 体験を言語化する(振り返りで記憶を強化)
これらを意識することで、親子の時間が単なる思い出ではなく、「学びの土台」として脳に刻まれる貴重な財産になります。
親子での時間を、感情とエピソードが同時に着火する「特別な記憶」に変えていく。それが、私の考える「co-育てメントレ」です。
次の親子の体験はどんなものになるだろう?新しい冒険が楽しみです!