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38 子どもの集中力を育むために大切な親子の関わり方~子育てメンタルトレーニングの視点と脳科学の知見から~

子どもの成長を見守る中で、「もっと集中力をつけてほしい」「失敗を恐れず挑戦してほしい」と感じることはありませんか?集中力や挑戦する力は、単なる能力ではなく、親の関わり方や環境づくりによって育まれるものです。

脳科学の視点では、子どもの集中力や挑戦意欲は、前頭前野、海馬、扁桃体のバランスが重要だとされています。今回は、これらを踏まえた親子の関わり方についてお話しします。

1. 心理的安全性が集中力を育む


子どもが「失敗しても大丈夫」と思える環境、つまり心理的安全性があると、脳の前頭前野が活性化しやすくなります。前頭前野は判断力や計画性、自己制御を司る部分で、集中力や学びへの意欲を支えています。しかし、心理的安全性が低い環境では、扁桃体が過剰に働き、不安や恐怖が優位になり、集中力が低下します。

具体的な方法
• 失敗を歓迎する言葉をかける
「失敗は次の挑戦への一歩だね」と伝え、失敗が学びにつながることを教える。
• 子どもの感情を受け止める
たとえば、「うまくいかなかったね。どう感じた?」と感情を言葉にするサポートをします。これにより扁桃体の興奮が抑えられ、前頭前野が働きやすくなります。
• 親自身が心理的安全性を示す
親が失敗を笑い飛ばしたり、解決する姿を見せることで、「失敗は怖くない」というメッセージを伝えます。

2. 感情と記憶を結びつける関わり方


子どもの脳の海馬は、出来事を記憶する役割を持ちますが、感情を司る扁桃体との連携によって記憶の定着度が変わります。ポジティブな感情を伴った経験は、記憶に残りやすく、学びや集中力を後押しします。

具体的な方法
• 楽しい体験を増やす
学びの中に遊びや興味のあるテーマを取り入れ、「楽しかった」という感情を引き出します。
• 例:歴史が好きな子なら、教科書だけでなく歴史漫画や博物館見学を取り入れる。
• 日々の振り返りを通じて感情を整理する
一緒に「今日の楽しかったことランキング」を考え、小さな成功体験を振り返ることで、ポジティブな感情と記憶を結びつけます。

3. 失敗を成長のステップに変える


失敗に直面したとき、脳の扁桃体が「危険」を察知し、不安や恐怖を引き起こすことがあります。この状態が長く続くと前頭前野の働きが抑制され、挑戦する意欲が低下します。しかし、失敗を成長のステップとして受け入れる経験を重ねることで、扁桃体の過剰反応を抑えられるようになります。

具体的な方法
• 失敗を具体的に振り返る
失敗を抽象的に「ダメだった」と終わらせず、「どこがうまくいかなかったのか?」と一緒に具体的に振り返り、次の行動に生かす工夫を考えます。
• 努力を評価する
結果よりも「頑張ったね」「工夫してみたね」といった努力やプロセスに注目する。
• 小さな成功を積み重ねる
子どもが取り組める範囲の目標を設定し、達成感を味わわせることで、挑戦への意欲を引き出します。

4. 自主性を育む親のサポート


前頭前野は、自分で考え、選択し、計画を立てるときに活性化します。親が指示を出すだけではなく、子どもに選択の機会を与え、自主性を尊重することで、集中力と意欲が育まれます。

具体的な方法
• 選択肢を与える
「今日は宿題からやる?それともお手伝いを先にする?」と、自分で選ばせる。
• 考えを深める質問をする
「どうしてそれを選んだの?」と問いかけることで、子どもの考える力を引き出します。
• 完璧さを求めすぎない
子どもが行った結果が未完成でも、「よくやってみたね!」と挑戦したこと自体を評価します。

5. 親子で楽しむ集中タイム


集中力は、親子で一緒に体験することで自然と育まれます。親が楽しみながら集中する姿を見せることは、子どもにとって最高の学びの場となります。

具体的な方法
• 共同作業をする
一緒に料理や工作をするなど、親子で一つの目標に向かって取り組む。
• 読書を共有する
子どもに本を読んであげたり、感想を話し合ったりする。
• 遊びを通じて集中力を育む
短時間でできるボードゲームやパズルを一緒に楽しむ。

まとめ


子どもの集中力や挑戦する力を育むためには、心理的安全性を高め、前頭前野、海馬、扁桃体のバランスを整える親子の関わり方が大切です。「失敗しても大丈夫」という安心感の中で、楽しい経験を共有し、自主性を尊重することで、子どもは自信を持って物事に取り組めるようになります。

日々の中で、親子の会話や共同作業を通じて、集中力を育む時間をぜひ楽しんでみてください!

今後も、子育てメンタルトレーニングの視点で集中力を高めるヒントを発信していきます。一緒に学び、成長していきましょう!

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