95 子どもが嘘をついてしまったとき、親ができること 〜co-育てメントレ〜

息子が「やっていない」と嘘をついたけれど…

ある日、息子が誤った言葉遣いで相手を傷つけました。
当事者同士で事実確認をしているとき、彼は「やっていない」と否定。
しかし、後になって自分の言葉で傷つけたことを認めました。

このとき、親としてどう向き合うべきか？
私たち夫婦は、それぞれの立場で息子と向き合いました。

妻は息子を連れて謝罪に行きました。
親自身が謝る姿勢を見せることで、息子も自分の言葉で謝ることができました。

私は、嘘をついたことが残念だったと伝えましたが、すでに妻に叱られていたので、状況の確認だけに留めました。

これは正しかったのか？
息子の成長につながる関わり方とは？
脳神経科学やメンタルトレーニングの視点から考えました。

1. 嘘をついたのは「悪意」ではなく「自己防衛」

子どもが嘘をつくのは、「怒られるのが怖い」「どうしていいかわからない」といった自己防衛のため。
このとき、頭ごなしに叱ると、さらに嘘をつこうとしてしまうことがあります。

大切なのは、正直になれたことを評価すること。

📢 親の声かけ例
「勇気を出して認めたことは偉かったね。でも、最初に嘘をついてしまうと、もっと状況が悪くなることもあるんだよ。」

嘘を責めるのではなく、正直でいることの大切さを伝えましょう。

2. 「謝ることは恥ずかしいことではない」と伝える

息子は、親が謝る姿を見たことで、きちんと自分の言葉で謝れました。
これはとても大きな成長です。

📢 親の関わり方
✅ 「一緒に謝る」ことで、謝罪の仕方を見せる
✅ 「親も謝る姿勢を示す」ことで、責任を取ることの大切さを教える
✅ 「相手の気持ちを考えさせる」ことで、共感力を育む

📢 子どもへの問いかけ
「相手はどう感じたと思う？」
「自分が同じことを言われたら、どんな気持ちになるかな？」

こうした問いかけを通じて、子どもの共感力を育てましょう。

3. 「嘘をついてしまった」ことをどう学びにつなげるか

私は、嘘をついたことが「残念だった」とだけ伝えました。
すでに妻に叱られていたので、さらに責めるのではなく、状況を確認することにしました。

これは、結果的に良い対応だったかもしれません。
叱られた後にさらに責められると、子どもは心を閉ざしてしまいます。
それよりも、「どうすればよかったのか？」を一緒に考える方が成長につながるのです。

📢 こんな問いかけが有効
「今回、最初に嘘をついちゃったけど、本当はどうしたかったの？」
「もし次に同じことがあったら、どうすればいいと思う？」

嘘を責めるのではなく、次にどうするかを考えさせることが大切です。

脳神経科学の視点から

「嘘をつく」という行動は、子どもの脳にとって大きな負担です。
脳は「罪悪感」「不安」などの感情を処理しながら対応を考えています。

しかし、正直になる経験を重ねることで、前頭前野が発達し、自己コントロール力が高まります。
つまり、「嘘をついたこと」も、成長のチャンスにできるのです。

まとめ

✅ 嘘をついた理由は「自己防衛」。責めすぎない
✅ 正直になれたことを評価し、「正直でいることの大切さ」を伝える
✅ 親自身が謝る姿を見せることで、誠意ある謝罪の仕方を学ばせる
✅ 「次はどうする？」を考えさせることで、学びにつなげる

今回の出来事は、一見「息子が嘘をついた」「人を傷つけた」というネガティブなものに見えます。
しかし、親の関わり方次第で、**「言葉の力」「謝ることの大切さ」「正直でいることの重要性」**を学ぶ機会になります。

co-育てメントレでは、「失敗」を「学び」に変える関わり方を大切にしたい。
子どもが成長する機会を、親も一緒に学びながら、共に育っていきましょう。