47 「co-育てメントレ」から始める未来の学び~答えのない課題解決を育むために~
1. はじめに:息子の創造力に驚いた日
先日、息子が見せてくれた動画に驚かされました。電車が大好きな彼が、音楽に合わせて電車がコミカルに動く動画を作り上げたのです。しかも、誰にも教わらず自分だけの力で。それはまさに、息子の「好き」が生み出した創造的な成果でした。
このエピソードを通じて、「好き」なことを軸に親子が共に成長するための取り組み、そして「答えのない課題解決」をどのように育むかを考えてみたいと思います。これこそが、私が提唱する「co-育てメントレ」の実践です。
2. 「co-育てメントレ」とは
「co-育てメントレ」とは、親が子どもの成長を一方的に見守るだけでなく、共に学び、考え、成長する姿勢を大切にする考え方です。子どもが興味を持つことや挑戦する過程に寄り添いながら、親自身も問いや発見を楽しむ。これにより、親子で互いに成長し合える関係性を築いていきます。
息子の動画作成も、まさに「co-育てメントレ」の実践でした。親として何かを教えるのではなく、彼の創造力や自発性に驚き、共にその成果を楽しむ。このような体験が、子どもの自己肯定感や未来の力を育むのです。
3. 答えありきの課題ではなく、答えのない課題を
現代の学校教育や日常生活では「正解が決まっている課題」に取り組むことが中心になりがちです。しかし、これからの社会では、正解のない課題に対して自分なりの答えを見つける力が求められます。
息子の動画作成のように、遊びや興味から自然に課題を見つけ、楽しみながら解決していく経験は、まさにその力を育む第一歩です。「co-育てメントレ」では、親子でこうした答えのない学びに挑むことを大切にします。
4. 「好き」が脳を活性化する理由
子どもが「好き」なことに夢中になるとき、脳ではドーパミンが多く分泌され、学習や創造性を司る領域が活性化します。興味や楽しさを感じながら何かに取り組むとき、子どもたちは「もっと知りたい」「もっとやってみたい」という気持ちで学びを深めていきます。
息子が動画を作る過程では、電車に対する知識を活かしながら、「音楽と動きをどう組み合わせるか」「どんな場面を作れば面白いか」といった試行錯誤を楽しんでいました。このような体験を日常的に積み重ねることで、脳がどんどん成長していきます。
5. co-育てメントレを家庭で実践する方法
(1) 子どもの興味を深掘りする問いかけ
子どもが何かに夢中になっているとき、「どうしてそれが好きなの?」「もっとこうしたらどうなるかな?」と問いを投げかけてみてください。この問いが、子どもの探究心を引き出し、新しい発見や挑戦につながります。
(2) プロセスを大切にする
「どんな工夫をしたの?」「次はどんなアイデアがある?」とプロセスに注目し、その努力や試行錯誤を認めてあげましょう。これが、子どもの自己肯定感を育む鍵になります。
(3) 失敗を楽しむ環境をつくる
「失敗しても大丈夫」「次はどんなふうにやってみる?」と伝えることで、試行錯誤を楽しめる環境を整えます。失敗を恐れず挑戦する姿勢が、答えのない課題に向き合う力を育てます。
(4) 家庭の日常を課題解決の場にする
日常生活の中で、「どうやったら家族みんなが快適に過ごせる?」「余った材料でどんな料理が作れる?」といった問いを一緒に考えることで、自然と課題解決力が育まれます。
6. 「好き」を課題解決へとつなげる未来
息子の電車好きが動画作成という形で表現されたように、子どもの興味や遊びは、将来的に社会的な課題解決にもつながる可能性を秘めています。例えば、電車が好きな子どもが「環境に優しい交通システムを考える」「地域の鉄道を活用したアイデアを提案する」といった大きなテーマに取り組む未来も描けるのです。
7. まとめ:親子で共に学ぶ喜び
「co-育てメントレ」とは、子どもが持つ「好き」や「興味」を軸に、親子で共に学び、考え、成長するプロセスです。正解がない問いに挑む中で、親自身も子どもから多くのことを学ぶことができます。
私たち大人ができるのは、子どもの「好き」に寄り添い、答えのない課題に向き合う力を育む環境を整えること。その中で、子どもと共に成長していける喜びを感じながら、一緒に未来を作っていきましょう。
読者への問いかけ:
「あなたのお子さんが夢中になっていることは何ですか?それを通じて、どんな未来を共に描きたいですか?」