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9章①【人格変わった美容師さん2】 4つ目のパラレルワールド 2/11/2019


これは、約2ヶ月前に書いたブログ記事である。

たった2ヶ月前の出来事が、



約2ヶ月後

試験の数日後である。

違う地球線になった美容師さん[平成31年2月11日(月)] 

前回の続き。
2ヶ月経過し、髪も伸びてきたので行きつけの同じ美容院に行った。

イケメン美容師さん、今日はちょっと地味目な服装で、
「髪はどうされますか?」
と、やけに丁寧に穏やかな笑顔で尋ねてきた。
「いつもみたいな感じでお願いします」
と答えると、イケメン美容師さん、深刻な表情で黙って考え込んでしまった。
あれ?どうしたのかな?疲れているのかな?
ボクは、もう一度、
「髪の毛の長さ揃えて、いつもの明るい感じの色がいいです」
とちゃんと伝えると、
「わかりました」
と、また穏やかな笑顔でお返事してくれた。
美容師さん、悩みでもあるのかな、と思った。

なんだかいつもの元気がないけど、鏡の向こうで微笑んでくれているから、
「この前の宇宙人の話」
と話を切り出したら、
「宇宙人ですか?何の話ですか?すみません」
と言われてしまった。

「ーうーん、どうしちゃったのだろう?」
もう一回、めげずに聞きた。
「あの、年末に来た時にお話ししていたアニメの宇宙人の話、〇〇さん、あのアニメ好きなのですか?」
「どんなアニメでしょう?アニメは、あまり見ないのでよくわかりません、すみません」
と申し訳なさそうに首を傾けました。

「漫画とアニメは、僕の趣味なんだよね」
と自慢していいたはずなのだけど?
そう思いながら、周り見回したら、美容院の店内の変化に気付きた。
棚一面にあったはずの漫画が全て失くなっている。
ここの美容院、漫画たくさん山のようにあって、そのことが美容師さんの自慢だったのに。

「漫画、片付けちゃったのですか」
と真剣に髪を切っている美容師さんに聞いたら、
「前から、うちでは漫画は置いていませんよ。雑誌より漫画が良かったですか?」
との申し訳なさそうな返事が返ってきた。
「いいえ、大丈夫です」
ボクは小さくなって雑誌を手に取った。
ボクがいろいろ考えている間も、イケメン美容師さんは黙々とハサミで髪を切っている。

それから数分経ってから、思い切って話しかけてみた。
イケメン美容師さんは、よく突如2、3週間休んでサーフィンやりに沖縄行ったり、海外行ったりするので、
「今日は突然だけど、予約できてよかったです。サーフィン、寒い日でもしているのでしょう?」
と尋ねたら、
「サーフィンですか?サーフィンは全くしませんね。休み取れませんからね。ここ半年は1日も休み取っていません。仕事が大事ですから。いつも休みはないです。地道に働くのが一番落ち着きます。仕事が人生です」
と、穏やかな笑顔で答えてくれた。

いつでも、
「遊びが大事!遊びがあってこその仕事!」
が口癖だったはずなのだが?

よくよく過去を思い出すと、この美容師さんが半年間休み無しのわけがない。
なぜなら、3ヶ月前に、予約しようと美容師さんの携帯番号に電話したら、
「ごめんねー、今沖縄でさ、1ヶ月長期休暇なんだよ。来週か再来週にお店に電話してみてくれるかなー。多分再来週には戻っていると思うよー」
と軽い調子で話していたから、半年の間に最低1ヶ月は休んでいるはずである。

しかし、淡々と髪を切る美容師さんがこんなバレバレの嘘をつく理由がない。
その後も、美容師さんの話は続き、
「毎日コツコツ仕事をしていくと、得るものが多いですよ。仕事は積み重ねてこその価値が生まれます」
と、お坊さんのように切々とお話ししてくださる。
「はあ」
ボクは、顔色を変えないようにしなければということで精一杯だった。

頭の中は疑問形と過去の美容院の映像が蘇り混乱。
この丁寧な話し方は、何かボクに不満でもあっての慇懃無礼なのだろうか?
それだったら、ごめんなさいと謝って、そうしたら元に戻るかなあ、しかし悪いことはしていない。

そして、髪が仕上がったボク。
鏡を見て仰天!
「えー、え?え?」
全然、いつもの髪型、髪質、髪の色と違い、真っ黒髪のストレートのちょっと硬くてボサボサしていて、うーん、何というか、サザエさんでいうと、花沢さん、ちびまる子ちゃんでいうと、みぎわさん、ドラえもんでいうと、ジャイ子になってしまった(泣き)

何かの間違えでは、と思ったら、もう美容師さんは出入り口のお会計カウンターに立っていて、何も言う暇もなくお会計して追い出されてしまった感じ。

花沢さんの髪型になったボクは、店の外に出て呆然としていた。

イケメン美容師さんは、
「めちゃくちゃ何かで怒っている」
または、
「体調が悪い」
はたまた、
「ボクと違う次元の人になった」
かの三つのどれかである。

この半年間の経験上、
「ボクと違う次元の人になってしまった」
が正解のような気がする。

平行世界、怖い。
人の性格も旅行に行っていた事実も、そしてボクの髪型も変わってしまった。

次の日、元の髪型に変えて欲しいって電話したが、名前言っても美容師さん覚えていなくって、
「もし、色を変えるのでしたら、2週間後においでください。お待ちしております」
と電話を切られてしまった。

仕方なくお店を変えて、他の美容院で元の髪型、髪色、髪質に戻してもらった。
次元変わったらいいことばかりというわけではないみたい。(とほほ)

☆髪型が決まらないと憂鬱な1日になりますか?
【2019年12月16日(日) 同じ地球線にいた美容師さん】


いつもリアルタイムでは、気がつかない。

後になって、大変な変化に気づく。

だけど、元に戻ることはない。

それがパラレルワールドなのだ。

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