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組織を芯からアジャイルにする

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「組織を芯からアジャイルにする」ために。あなたの居る場所から「回転」を始めよう。
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#スプリント

スプリントの回転の中で実現しているのは、「価値」か、それとも「進捗」か

 アジャイルで各種定義されていること、例えばスクラムイベントやバックログといった概念で、何を実現しているのか、そこにどんな意味があるのかを考えてみよう。  さっそくイメージにしてみる。 リファインメントで行っていること  プロダクトバックログとは一体何か。そこでリスティングされるものは、「これが実現できたら価値につながる」という価値の候補である。あるいは、「これは価値がありうるかもしれない」という価値の仮説である。存在してしかるべきという機能は前者にあたり、本当に効果が

スプリントで変化に向き合う5つの観点

 スプリントによってチーム仕事を進めるスタイルを取っていたとする。当然、スプリントプランニングを行っているだろうから、当該スプリントで何ができるといいか、何をやるか、どこまでやれるかといった計画作りはそこで担保しながら進めているはずだ。  そうして変化を受け入れられる仕組みを作るのがスクラムの狙いとなる。…というはずなのだけど、プランニングで収まり利かないレベルの「変化」「変更」というものもありえる。なにそれ?  スプリントはそれぞれ独立しているが、スプリントを通じて形作

何からはじめて、どのようにして、どこへたどり着かせるか (バックログ・ジャーニー)

 バックログをもとに、開発や仕事を進める。スプリントプランニングまでにバックログを整えて、プランニングでサインアップを決めて、スプリントを回す。スプリントレビューで結果をみんなで確認し、適応しよう。こうした理解で、まあスクラムを始めますよね。  スクラムをやろう、という話で最初の焦点になるのは、プランニングどうしよう、レビューどうしよう、スプリントをどう過ごそう、といったプロセスの観点。それから、バックログの粒度感はどうしよう、という話になったり、ならなかったりする。  

チームで何を 「重ね合わせ」 るのか?

 まだチームになっていない集団(グループ、部門、プロジェクトなどで)が仕事を始める際に行うべきことは何か。「重ね合わせ」が一つ挙げられる。  そのグループで把握するべき「状況」について、まずもって可視化を行いう。その上で状況の理解を互いに合わせる。同じものを見ているようでも、捉え方、理解の深さが異なる場合がある。理解があってなければ集団の仕事として結果に結びつかない。  OODAループで説明するなら、2つ目のO(方向づけ)について各自の理解をあわせなければ、その後のDeci

スプリントは「回す」ものではなく、「繋ぐ」もの

 いつの頃からか、アジャイルで「スプリントを回す」「イテレーションを回す」という言葉に違和感を持つようになった。回していないよな、むしろ繋げているよな、と。  例えば、アジャイルを說明するときに以下のようなイメージを示すことが多い。どう見ても回っている。  そう、概念的にはアジャイルは「回る」。ゆえに、概念の說明としてはあっている。これから始めるスプリントのプランニングを行い、実際にスプリントでの活動を進め、スプリントの終わりにレビューする。そして、ふりかえりを経て、再び

スプリントの終わりに「結果」だけではなく、「差分」を捉える

 何のためにスプリントをいくつもいくつも、繋いでいくのか?と問われたらなんと答えよう。  作るべきものが溢れているから? バックログにフォーカスすると、そういう回答になるかもしれない。あるいは何か成し遂げたいこと、到達したいことがあるから? ゴールにフォーカスすると、そうかもしれない。  バックログとゴールでは、何が違うか。バックログはWHATに、ゴールはWHYにあたる。WHYに向けて、必要なWHATが列挙される。この関係性を踏まえると、両者の違いは「焦点の当て方」でありどち