すっぱい。とにかくすっぱい。
さて、すっぱすぎるパンはどう処分すべきなのか。
休日に作った自家製天然酵母のパンがあまりにもすっぱすぎたせいで、逆にあっさり捨てる気分にもならずにどうしたものかもてあましたままパンケースに入れておいた。
一日悩んだあげく、やはりさすがに食べ切るのはつらいので、いちおう奥様にお伺いを立ててから処分することにした。
遅く帰ってきた奥様、パンケースのパンを見るなり、
「スライスして冷凍しとかんと、いたむで」
えーと、保存しておいて食べるってことか??
おそるおそる、あのすっぱさは平気なのかとたずねてみたら、捨てるのももったいないしとのこと。
平日は避けて休日に食べれば万お腹が痛くなっても大丈夫やし、っていったい何が大丈夫なんだろう。
そう思いながらも、パン切り包丁を取り出し、スライスしたすっぱいパンを袋に詰めて冷凍庫に入れる。
すっぱくなっていることはもとより、どうも生焼けのようにも思えるので、生焼けのパンの処分方法をググってみる。
揚げパンにするといい、フレンチトーストにするといい、など、生焼けパンをムダなく食べる方法はいくつも出てくる。
ただし、すっぱすぎるパンをおいしく食べる方法はどこにも出ていない。
「酸味」の反対語を調べてみたら、「甘味」だそうだ。
酸味には甘味で対抗する。
揚げパンにして砂糖をまぶすのが案外解決策なのかもしれない。それでもかたまりで食べるのは厳しそうだから、細かく刻んでから揚げて甘くすればいけるか。
もはやパンではなくあられだ。
真面目に振り返ると、Xでフォロワーの人からも教えてもらったのだけれど、「過発酵」、つまり発酵に時間をかけすぎたのが原因で酸味がキツく出てしまったようだ。
レシピ通りではあったものの、ほぼ半日くらい発酵に時間をかけたことが災いしたのだろう。
適切に発酵しているかどうかの見極めが難しい天然酵母のパン作り、やはり一筋縄ではいかないようだ。
しかし、それがゆえに、パン作り沼にはまりすぎた人は、つづいて天然酵母のパン作り沼にもはまってしまうのだ。
安定しておいしい天然酵母のパンが焼き上がるその日を夢見て、今日は寝床につくことにしよう。