「働く」が危ない
面倒臭い。そこから派生するストレスが嫌。
だから、世の中、こんなになっちゃんたんだろうと思う。
でもね。
APAホテルの「秒」でチェックイン。もちろんAIで無人。これが汎用されれば、将来の「ホテルマン」という技能は失われる。
(修行の場がなくっちゃうから)
でも、多くの人はそんな状況を憂うることはない。就業者としても修行なんてない方が楽ちんだし、利用者だってフロントと応対するのは面倒だ。「秒でチェックイン」の方が楽ちんでいい。そんなところでタイパしても、何を得するのかと思うけれど。
そんなもんです。
家を建てるのに木を切るのは「工場」。現地で人が行うのは、上がってきた部材を組み立てるだけ。そのうち大工さんはいなくなる。その方が、僕ら困ると思うけれどな。でも、面倒な大工修行より、あした行って働けた方がいい。お施主さんだって、ゼロから家をデザインしろって言われるより、だいたいは「規格がある」方が悩まなくて済むのかも。
ラーメン屋さんも駅そばも、そこで部材を組み立てるようにラーメンを組み立てて、そばを組み立てて提供するだけ。チャーハンは「チン」であり、てんぷらはフライヤーが揚げる。ドトールコーヒーもスタバもそう。
修行を要する職種は、みな絶滅危惧種。
高性能なデジタルカメラ(スマホ)があれば、技能職としての写真師さんはいらなくなる。街の写真館も絶滅危惧種。現像というプロセスもなくなるから、街の写真屋さんも絶滅危惧種。
でも、多くの人が困らない。
そして、ある日、チェットGPTが現れた。
そうしたら、弁護士事務所のパラリーガルな人も、フィナンシャル・プランナーさんも絶滅危惧種。楽楽清算で「経理・会計」の部署も絶滅危惧書だろうし、契約事務を扱う部署も、ビズリーチで現場が直接「求人・採用」をするなら「人事部」だって絶滅危惧種。フツウの事務職だって、議事録はAIが文字に起こす。この分の人件費は、そのうちカットされる。
(今や人件費はコストだから)
実際、アメリカでは、すでに広告のコピーライターやカウンセラーさんなどの大量な「失業」が始まっている。つまり、面倒臭いと思われる職種についてもAI(ディープ・ラーニング)が攻め込んできたというわけだ。
すでに、スーパーやコンビニのレジ打ちなどは時間の問題。長距離トラックも、電車も「無人化」の流れ。もうホームや改札に駅員さんはいない。
この国でファミレスが始まった頃、僕は小学生だった。でも、そのファミレスから人がいなくなるなんて思ってもみなかった。
でも、ファミレスで「行ってくるにゃん」と動き回る猫型配膳ロボットにも、もう慣れてしまった。タッチパネルでの注文も同様。いつの間にか「フツウのこと」になってしまった。
消費者としての自分が、自分の就業の場を奪われていつことを、あっさり容認して、気にしないようだ。
ほとんどの「人が働く場」はなくなっているのではないか。
働かない方が、楽ちんではある。でも、食えなくなる。
「ベイシック・インカム」が間に合わなければね。