見出し画像

【完全版】糖尿病の真実:京大病院医師が語る知られざる原因と最新治療法


はじめに:増え続ける国民病「糖尿病」との向き合い方

こんにちは、読者の皆さん。このブログでは、日本人の約4人に1人が糖尿病またはその予備群と言われる現代において、糖尿病の真実と向き合い方について詳しく解説していきます。京都大学医学部附属病院の糖尿病・内分泌・栄養内科の稲垣先生の知見をもとに、糖尿病の特徴から診断、治療、そして日常生活での管理方法まで、包括的に理解していただける内容となっています。

日本の国民健康・栄養調査によると、糖尿病が強く疑われる人と糖尿病の可能性を否定できない人を合わせると、約2,000万人にも上るとされています。これは決して他人事ではなく、私たち一人ひとりが正しい知識を持ち、適切な予防策や治療法を知ることが重要です。

本記事で学べること

  1. 糖尿病の基本的な理解と診断方法

  2. 日本人特有の糖尿病リスク要因

  3. 糖尿病合併症の種類と予防策

  4. 最新の治療アプローチと日常生活での管理方法

  5. 医師が教える糖尿病との付き合い方

それでは、糖尿病について深く理解し、健康的な生活を取り戻すための旅に出発しましょう。

第1章:糖尿病の基礎知識 - 知っておくべき真実

1-1. 糖尿病とは何か - 本質的な理解

糖尿病とは、単に「血糖値が高い」という症状だけではなく、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きが悪くなることによって、高い血糖状態が長く続いている病気です。この状態が続くと、全身のさまざまな臓器に悪影響を及ぼし、網膜症・腎症・神経障害といった三大合併症をはじめ、多くの病気を引き起こす原因となります。

糖尿病の本質を理解するためには、まず体内での糖の代謝機構について知る必要があります。私たちが食事から摂取した糖分は、血液中のブドウ糖(血糖)として全身に運ばれ、エネルギー源として利用されます。この血糖値を適切なレベルに保つために重要な役割を果たしているのが、膵臓から分泌されるインスリンです。

インスリンには、以下の3つの主要な働きがあります:

  1. 筋肉や肝臓の細胞が血液中のブドウ糖を取り込むのを促進する

  2. 肝臓でのブドウ糖の産生を抑制する

  3. 脂肪細胞への脂肪の蓄積を促進する

糖尿病の状態では、このインスリンの分泌量が減少する、あるいはインスリンの効き目が悪くなる(インスリン抵抗性)、またはその両方が起こることで、血糖値が高い状態が続きます。

1-2. 糖尿病の主な分類と特徴

糖尿病は、発症メカニズムや原因によって主に以下のように分類されます:

1型糖尿病

1型糖尿病は、膵臓のβ細胞が自己免疫反応によって破壊され、インスリンがほとんど、あるいはまったく分泌されなくなる病態です。主に小児期や思春期に発症することが多いですが、成人でも発症することがあります。1型糖尿病の患者さんは、生存のためにインスリン治療が不可欠となります。

日本における1型糖尿病の発症率は、欧米諸国と比較すると低いとされていますが、近年増加傾向にあります。1型糖尿病は、遺伝的要因と環境要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。

2型糖尿病

日本人の糖尿病患者の大多数(約95%)を占めるのが2型糖尿病です。2型糖尿病の特徴は、インスリン分泌能の低下とインスリン抵抗性の両方が関与している点にあります。

2型糖尿病を発症する主な要因としては、以下の二つが挙げられます:

遺伝的要因:2型糖尿病は血縁者に糖尿病の方がいると発症リスクが高まります。特に両親ともに2型糖尿病である場合、子どもが発症するリスクは約40%にも上るとされています。

環境要因:運動不足、過食、ストレス、加齢などの生活習慣に関連する環境要因も、2型糖尿病の発症に大きく関わっています。特に内臓脂肪の蓄積はインスリン抵抗性を高め、糖尿病のリスクを増加させます。

その他の特定の機序・疾患による糖尿病

上記の他にも、以下のような原因で糖尿病が発症することがあります:

  • 膵臓の疾患(慢性膵炎、膵癌など)

  • 内分泌疾患(クッシング症候群、先端巨大症など)

  • 薬剤やホルモンによるもの(ステロイド糖尿病など)

  • 遺伝子異常によるもの(若年発症成人型糖尿病[MODY]など)

1-3. 日本人と糖尿病 - 知られざる特徴

ここから先は

25,030字

¥ 1,000

PayPay
PayPayで支払うと抽選でお得

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?