
大切だとわかっているのに災害の備えをしない心のしくみ
はじめに
皆さんは、災害の備えについてどう考えていますか?「やらなくてはいけない」「大切だ」と思っていても、なかなか実際の行動に移せないことはありませんか?
私たち人間には、頭では理解していても行動に移せない不思議な心理メカニズムがあります。本記事では、京都大学防災研究所准教授の藤見俊夫氏による「大切だとわかっているのに災害の備えをしない心のしくみ」というテーマの講座内容をもとに、この現象について深く掘り下げていきます。
災害に備えることの重要性は誰もが理解しているはずです。しかし、ハザードマップを見ない、家具を固定しない、避難指示が出ても避難しないなど、理解と行動の間には大きなギャップがあります。この記事では、なぜそのようなギャップが生じるのか、そのメカニズムと対策について考えていきましょう。
目次
理解と行動のギャップ
災害への備えは「やって当たり前」と多くの人が理解しています。やらなくていいと思っている人はほとんどいないでしょう。それでも、実際の行動に移せない人が多いのはなぜでしょうか?
例えば、以下のような現象がよく見られます:
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