「お前を色眼鏡で見てやろうか」
日頃はコンタクトを装着する機会が多い。予定のない日は極力メガネで過ごす事にしている。
ある日のことである。大した予定もないのでメガネで外出することにした。自転車に乗って町を走るとしっかり冬に戻ったようで気温が下がり寒い。実はこんな日がメガネマスクマンにとっては試練の時となる。呼吸をするとマスクの隙間を掻い潜って温かい二酸化炭素が上昇し一瞬でメガネを曇らせてしまう。息を止めるわけにも行かず、半ば無抵抗主義で諦めを決め込まなければいけない状況になる。信号待ちの度にメガネを外し、メガネを冷たい空気に触れさせて冷却する。イメージで言えばラーメン屋さんの湯切りをメガネを使って再現しているような動作になっているのだと思った。信号待ちの度にメガネでラーメンを作るものだから一日あたり相当数のメガネラーメンが出来る計算になるはずである。
しかしそんな妄想をしている場合ではなく、メガネが一瞬で白く曇ってしまうのを回避しなくてはいけない。さらにこんなトラブルに巻き込まれたのである。
「左目だけ曇ることとかある?」
「こんなとこでひとり視力検査しとる場合か」
片目だけ曇るのはとても困るが、なんとか走れないわけではない。前方に注意を払いながら、ゆっくりと自転車を走らせて行く。
すると前方からもんわりと白いタバコの煙が僕を襲って来た。歩きタバコである。未だに一部のマナーが良くない人がいると思うと悲しくなる。僕はご利益のない煙を頭から被るほどお人好しではない。そんな時は思い切り喫煙者から距離を取るように逆側の側道寄ることにしている。そして喫煙者を追い抜く際には、いかにも「ご迷惑ですわ」という素直な感情を露骨に表現することにしている。まさに表現者となる瞬間である。
それに加えてこの日は左目だけメガネが曇っていたので、デーモン閣下ばりに喫煙者にガンを飛ばして威嚇してさしあげた。
そして心のなかでこう言い放った。
「お前を色眼鏡で見てやろうか」と。
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