育ての親を 時間差はあるが 共になくしたみかげと雄一 彼らの間に流れる愛を、傷の舐め合いを わたしはなんて形容すればいいんだろうか 初めて本作と出会った高校生の時は とにかく愛、純愛だと思った それから数年後 恋や愛の苦いも甘いも そして現実も知った大人のわたしは 今、これを なんて形容しようか ただ、間違いなく言えることが一つだけあって わたしの 人生の中で最愛の 家族がもし1人でもかける そんな目にし難いことが起きた時に わたしが頼る本は まちがいなくこれだろう
シンプルにいいな、と思った いや、頼りない母、蒸発というか失踪というかいなくなった父、腹違いの小さな妹の世話 と、色々と大変だし 完全に外から見た時には かわいそう、つらい、と思われる状況かもしれないのだが (ただ、これは私が面倒なだけかもしれないが つらそうというのは なんだか極めて上からというか 安全圏からの物言いに思えるので やはり、私は胸を張って 羨ましいなって言いたい) 心を開くというか 距離感というか 家族という1番近いコミュニティにさえも 少しだけ線をひいてい
痛いいたい ひどく痛い この痛むのは 胸じゃない そんな洒落込んだものじゃない 心が痛い 文と更紗 2人の形容し難い愛の形 恋でもなく愛である さて、そんな 綺麗な言葉では形容し難い きっとこの本を読んだ方は そう思ったのではないだろうか 命綱と形容された ただ、生きるためのよすが そんな2人の絆 (あぁ、絆なんて明るくて綺麗な言葉を使うことも眉間に皺がよる) それを思っていた自分が本当に嫌になる ただそこには 命綱が、ある それ以外には何も言えない 全てのことが 言
夜に星を放つ 窪美澄 オムニバス形式となっており ひとつずつの話に 必ず星がひとつ出てくる 婚活アプリでできた恋人の秘密を知ってしまっても 愛する母が亡くなってしまっても 一夏の、憧れと勘違いしてしまっているような、 恋のような曖昧な感情を抱いてしまっても それでも、星は煌めいている 心の揺らぎのように星々は瞬く 彼も彼女も 誰も彼も 孤独を抱えて、星を眺めている そういえば わたしが今住んでいる地域を愛している理由の一つに 星がきれいにみえるから、というのがある
瀬尾まいこ著「春、戻る」 突然現れた年下の、おにいさん 彼がきてからさくらの日常は少しずつ変わっていく 特別に大きな大事件がおこるわけでもないけれど (まぁ急に年下の男の子が兄を名乗るのはそこそこの事件だが) ゆったりとした日常のなかで 心のわだかまりだとかが解けていく ヒロインのさくらは、何かを成し遂げたわけでも 苦難を超えたわけでもない それでもおにいさんと出会う前の彼女と出会ったあとの彼女は確実に違っていて 生きるというのはそうやって 少しずつ己も気付かないうちに 感
小中高と進む中で 各学校にて一回は書かされたであろう作文 かつて教師たちは 「作文はタイトルが重要。内容をひと言でまとめたものをつけてね」といったものだ さて2024年最初の読書記録を飾るのは 花束は毒 正義感あふれる主人公の憧れの兄貴分のもとへ届く脅迫文の差出人を探すというミステリーである まず驚いたのが読みやすさ 良い意味で淡白でサラッとした文なので とにかく入ってきやすい さらさらさらと内容が入ってくる 白砂のように情報が入るなかで 次々と浮かび上がる事実 鵜呑みに
今まで知り合った男の話をば、 と思っていたのだが わたしの恋愛遍歴に なんのコンテンツ性もないだろ と思っていた矢先 noteに「読んだ本の感想を書いてみせんか?」なんて 声を掛けられてしまった やろうと思ってたよ!! と、若干癪であるが読書記録をはじめてみる
ということで 今まで知り合った男の話を まとめてみようと思う 己の問題とか拗らせの要因がわかるやもしれんってのが半分と エンタメ的な理由と あとは文を書く練習というスパイスを少々 人の窃視性を続けたらよい