リトル、バイリトル

シンプルにいいな、と思った
いや、頼りない母、蒸発というか失踪というかいなくなった父、腹違いの小さな妹の世話
と、色々と大変だし
完全に外から見た時には
かわいそう、つらい、と思われる状況かもしれないのだが
(ただ、これは私が面倒なだけかもしれないが
つらそうというのは
なんだか極めて上からというか
安全圏からの物言いに思えるので
やはり、私は胸を張って
羨ましいなって言いたい)

心を開くというか
距離感というか
家族という1番近いコミュニティにさえも
少しだけ線をひいているような、主人公ふみ

賑やかな日々の中で
彼女の周りだけは凪いているようである

母きっかけで知り合った周との
甘酸っぱいやりとりの中や
彼女を取り巻く素敵な大人たちとの日々の中で
これから彼女は少しづつ
甘えるだとか
自分の気持ちを外に出すことを知っていく

なんて羨ましいんだろうか、と思ってしまった

彼女の日々は
変わらず騒がしくも穏やかだが
彼女は、ひとりではないし
そのことを理解していくのだろう。
少しずつ、少しずつ

ところで
使われる代名詞で、距離感がわかるなんて
きわめてお察しの民族ならではである

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