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panda1
2021年4月9日 12:25
或先生ノ朝 キーンコーンカーンコーン校舎一面にチャイムの音が鳴り響いていた。幾度も聞いたことのあるその無機質な音はどことなく寂寥の音を孕んでいるようにも思える音だ。チャイムの余韻が小暑の暑さに滲み溶けていく中、僕は手から伝わる手すりの冷たさを肌に這わせ教室へと向かっていた。階段を登っていく途中、低、中と順に階層から声がする。声の方向が上から下に移動していくにつれ、