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「しろがねの葉」読書感想文

千早茜著。直木賞受賞作品。
戦国時代後期、シルバーラッシュに沸く石見銀山で生きる人々の生き様を圧倒的な筆力で書ききった傑作でした。

最初の1ページ目から、絶対面白いと思わせてくれる語り口、さすがです。

主人公は男たちと一緒に銀を掘りたいと奮闘する少女、ウメ。面倒を見る山師、喜兵衛と、親子の様な師匠と弟子の関係を築きながらも、ウメの成長により様々な変化が起こり…

銀山で生きる人達の覚悟。
命を削って銀を掘る男と、子を産み育てる女。
生きる道。抗い難い、性。
時の流れとともに変わること。

銀堀の嫁は三度嫁ぐ、

短命な銀堀の悲しい定め。それでも、生きて生きて、死ぬ。

命の使い方を考える、それはすなわち生き方、死に方を考える、ということ。

私が拙い言葉で表すと安っぽくなるけれど、生きるってこういうことだ、と心にガツンと響く文章でした。

わたしは、どうやって生きるんだろう。

でも、なぜか私も長生きな気がして。

みんなを見送らなきゃいけない気がしているのだ…なんとなくだけど。




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