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14.自分の時間割をつくる

 長年、心から湧き上がる「やりたいこと」がないことに悩んでいた。また、なにかやろうと思っても体力・気力が続かず、すぐに疲れてしまうのでそんな自分にもガッカリしていた。今年になり「自分の時間割」をつくり実践することで、その悩み解決を目指している。


 このエッセイは、自分が毎日何を思い考えているかを自分で知るため、そして友人・知人への近況報告も兼ねて書いている。
 日々の過ぎていってしまう小さなことをすくって、自分という棚にはなにが収まっているのか、棚おろしの意味をこめて綴りたい。


 昨年、2冊の本に出会った。

 1冊目は『世界は夢組と叶え組でできている』桜林直子(著/文)。2冊めが『躁鬱大学』坂口 恭平(著/文)だ。
 どちらも独自の“時間割”について書かれており、これは長年の「やりたいことがない、なにかやろうと思っても続かない」という悩みを解決する考え方かもしれないと鼻息が荒くなった。
 そして同時期に“時間割”について書かれている本に出会うなんてきっと縁のある方法に違いないと思い、取り入れてみることにしたのだ。

「自分の時間を何に使うか」を自分のキャパシティの中で(←これも重要)割りふった時間割をつくり、その時間割そのものを「やりたいこと」としたらいいと思う。

『世界は夢組と叶え組でできている』桜林直子 本文より

自分が窮屈を感じる要素はいっさい入れずに、全部自分がやりたいなと思うことだけで時間割を作り、それらをやりながら少しばかり汗をかいて充実するという生活を実践してみてほしいんです。

『躁鬱大学』坂口 恭平 本文より

 それぞれの本を少しだけ紹介する。
『世界は夢組と叶え組でできている』は、やりたいことがある人=「夢組」ない人=「叶え組」という考えを軸に、両者の違いや、そもそも「やりたいこと」ってなにか等について、著者のこれまでを振り返りながら考える本だ。著者のnoteの記事を目にし、印象に残ったので手に取った。

『躁鬱大学』は、躁鬱病(双極性障害)である著者が、精神科医の神田橋條治さんの『神田橋語録』(躁鬱病について独自の知見を口述しそれを聞き書きしたもの)を元に、躁鬱病の人が生きていくための技術とそれを駆使するやり方を考える本だ。
 この本のサブタイトルは「気分の波で悩んでいるのは、あなただけではありません」なのだが、わたしは当時PMS(月経前症候群)の症状がひどくそれこそ気分の大波小波に翻弄されていたので、参考にしたいと手に取った。

 上記の2冊を参考に、自分なりの時間割づくりを始めた。

 テーマは自分のキャパシティの中で誰かの役に立つ(≒仕事をする)である。当たり前だと思われるかもしれないが、人と比べ驚くほどキャパが小さい(すぐに疲れて具合が悪くなる)ので、その中で人の役に立つのは工夫が必要だ。
 本の中で、桜林さんは「自分のサイズと持ち物チェック」という言葉を使い、坂口さんは自分で自分にインタビューするというかたちで「次にしたいこと」を出していく方法を取っている。

わたしが自分の棚卸しをし、暫定で取り入れたポイントは以下の通りだ。

  • 小さな組織で、手先を動かす
    (わたしはどうやら周りの幸せが自分の幸せタイプらしい。人間関係には悩まされるが、ずっとひとりは経験上さらに悩まされる。だから少人数の組織に働きに出るのがちょうど良い。手先を動かすことは気分の波を起こさないことにつながるらしい)

  • 回数を重ねてきて、これからもできそうな得意なことをやる
    (才能があるからうまいのではなく、数をこなすからうまくなるそう。すでに積み重ねがありこれからもやるのが窮屈じゃない、むしろやりたいこと、かつ人に喜んでもらえることを選ぶ)

 ポイントに基づき、近くの小さなカフェで週に数日働き、そして自分のライフワークとして本の活動を主宰し、自分を大切に暮らしたい人へヒントになる本をお届けすることを時間割に落とし込んだ。

 今のところ、このライフスタイルが「やりたいこと」である。ストレスをゼロのするのはもちろん難しいが、PMSの症状もずいぶん治まってきた。なかなか良い感じだ。この時間割の中でより人に喜んでもらえれば、充実度が上がるので工夫していきたい。日々実験中である。

本の活動「むすび詩文庫」のInstagramつくりました。よければ。


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