見出し画像

漢方・養生とは

【〜漢方・養生とは〜】

夏の疲れが出やすい季節の到来です。
ココロもからだも快適に1日を過ごせているでしょうか?漢方で免疫力を高めたい、と仰る方が多くいらっしゃいますが、そもそも『漢方』とはなんでしょう?

漢方は奈良時代以降、中国から伝来した古代中国医学を基本とする考え方で、日本の民族、風土の影響の下で独自に発展し、実践されてきた自然哲学に基づく医学/薬学/養生学のシステムです。
病気にならないこと、すなわち✳︎自然治癒力を高めることを第一に考えることが特徴です。(✳︎もともと私たちが生まれながらに持っている、病を癒し、バランスを回復しようという内なる力)

漢方と聞くと漢方薬を思い浮かべる方も多いと思いますが、漢方薬を飲むこと以外に、鍼灸、あんま、気功、薬膳、養生など、どれもが漢方に含まれます。
また『漢方』という言葉は日本でできた言葉で、江戸時代に「蘭方=オランダ医学(西洋医学)」が日本に入ってきた際に、それ以前の伝承医学と区別するために『漢方』と呼ばれたことに始まりました。中国の言葉ではありません。

そして養生=生命を養う行いは、積極的に健康になるための日常生活の基本です。
例えば、散歩や、ストレッチやヨガなどで身体を適度に動かす、寒いときには温かい食事をいただく、充分な睡眠を摂る、アロマや音楽で自分の心を癒す、綺麗な景色を観たり瞑想をして忙しい頭を休めるなど、自分が元気でいるために考え行うことはみんな養生と言って良いでしょう。

陰(秋冬)の養生といえば第一に入浴です。帰宅が遅くても、疲れていても数分で血行が良くなりますのでとてもお勧めです。コップ1杯のお水を飲んで湯船につかりましょう。
"はあ~っ"という声と共に緊張が解れますよね。足湯だけでも効果的です。
私は天然塩や日本酒、アロマオイル、エプソムソルトや柑橘系の果物の皮を入れたりして、のんびり入浴するのが大好きです。

養生していても不調が出てきてしまった。病気になってしまった。どうして?どうしたらいいの?
そんなものです。誰にでも不調は訪れます。
私たちの身体や心には癖(弱い部分)があります。過度なストレスや、不自然な食生活など、日常の中で何らかのバランスを崩すと、心身の弱い部分に不調が現れます。身体は正直ですね。そのような場合には体質に合った漢方薬を生活に取り入れることも効果的です。
この「体質」を観るところが漢方の特徴です。
漢方薬は医薬品ですので作用と副作用があります。陰陽五行論や気血水論などを使い、その方の体全体のバランスや生活習慣などから体質を導き出し、体質に合った漢方薬を服用することが大切です。

頭痛を例にあげてみましょう。
ズキズキorシクシク、どこが、どのように痛むのか、どの位の頻度で起きるのか、人によって様々ですね。
体質を知るためには、頭痛に関してだけでなく、他の症状や、その方の体格や声のトーン、これまでの病歴やアレルギー、ご家族の病歴や日々のライフスタイルを伺い、舌の状態なども拝見させていただきます。
100人いたら100通りの体質/生活習慣がありますから、頭痛=この漢方薬❕というわけには行かないのです。


いいなと思ったら応援しよう!