PadmaDALI ヨガ/漢方/薬膳

日々の小さな幸せを大切に、心身ともに快適に過ごせるヒントを文章に書き留めています。 酷いアレルギー体質、igG4抗体異常という難病と共に生きる40代。10年間の漢方カウンセラー、12年間のヨガ講師を努める。

PadmaDALI ヨガ/漢方/薬膳

日々の小さな幸せを大切に、心身ともに快適に過ごせるヒントを文章に書き留めています。 酷いアレルギー体質、igG4抗体異常という難病と共に生きる40代。10年間の漢方カウンセラー、12年間のヨガ講師を努める。

最近の記事

心身一如

『心身一如』という言葉を聞いたことがありますか? 東洋医学の特徴をあらわす言葉の一つとして心身一如があります。 精神と肉体は一つであり切り離せないもの、1つの身体の両面であるという考え方です。 心を先に考えると よく引用される例として漆(うるし)アレルギーの話があります。 漆の木の下を通るだけで身体に湿疹のでる方が、漆ではなく他の木だと暗示をして漆の木の下を通ったら、湿疹はでなかった。しかし他の漆ではない木を、「これは漆だ」と暗示を与えて通ったら、漆の湿疹が出たという実際

    • 恒常性 (ホメオスタシス)

      私たちは、自らの身体を環境に適応させ、安定させるための「恒常性(ホメオスタシス)」という自然に備わった機能を持っています。 "体の状態を一定に保つこと"というと分かりやすいかもしれません。 例えば、 暑さで体温が上がりすぎないように汗をかいて熱を放出させて調節する、 寒さで血圧が上がりすぎないようにする、 侵入してきたウイルスを排除する、 眠ることで疲労から回復するなど、 身体は恒常性を維持する無数の仕組みで守られています。 その恒常性が保たれるためには、ホルモン、自律神

      • 陰陽五行 〜肺〜

        北海道は紅葉が色付きはじめ、本格的に肌で寒さを感じる季節に入りました。 長い冬の始まりです。色々と生活の中で備えなければなりません。 今月は漢方の✳︎五行説 "金ー肺" についてお話しします。 大まかに言うと肺には『外気をろ過して身体を外敵から守る』役割があります。 肺は体内へ取り込んだ外気を浄化して、気(エネルギー)を生成し全身へ配る機能を持ちます。そして気と共にスプリンクラーのように全身に水を分配します。 肺で作られた気は体内だけでなく身体の表面まで広がるように配

        • 白湯のすすめ

          空気が乾燥して、朝晩冷え込む季節になりました。 秋のお悩みの1つに「肌荒れ」がありますが、 かさつき/かゆみ/吹き出物/シミなどの肌トラブルは、夏に受けた紫外線や汗などの肌ストレスが影響して、秋に症状として現れることが多くあります。 そこで、適度に潤い、張りのある健康的なお肌を保つためにまずおすすめの養生法は 『お白湯』です。 人の身体の約70%は水です。生物の源は海にあることからも、水は生命にとって必要不可欠な存在です。水そのものは陰性なので、そのまま飲むと身体を冷やして

          中庸

          秋分を過ぎましたが、9月7日は二十四節気の一つ『白露(ハクロ)』でした。 毎日30℃超えの地域が多いですが、白露は野の草に露が宿って白く見え、秋の趣が感じられる頃という意味です。 白露を過ぎると日中は真夏のような暑さでも、夜が長くなるにつれて朝晩は次第に涼しくなり、暑くもなく寒くもなく、ちょうど良く過ごしやすい季節が到来します。 このちょうど良い状態を漢方では『中庸』と呼びます。 江戸時代の有名な儒学者、貝原益軒(かいばらえきけん)は著書『養生訓』の中で、「養生の道は中庸

          動養生

          残暑厳しい日が続いていますが、夏(陽)から秋(陰)に変化するこの季節は、心も身体も緊張しやすく様々な症状が出やすくなります。 漢方の考えでは、春と秋は特に自律神経のバランスが崩れやすくなるといわれています。 自律神経のバランスが崩れると、 イライラしやすい、気分が落ち込む、動悸・息切れがする、不眠、汗の異常、食欲がない(または過食)、便秘や下痢などの消化器トラブル、 などが起こります。 自律神経は脊柱(背骨)の右側と左側にある神経です。 背骨は1本の骨ではなくて、「椎骨(

          漢方・養生とは

          【〜漢方・養生とは〜】 夏の疲れが出やすい季節の到来です。 ココロもからだも快適に1日を過ごせているでしょうか?漢方で免疫力を高めたい、と仰る方が多くいらっしゃいますが、そもそも『漢方』とはなんでしょう? 漢方は奈良時代以降、中国から伝来した古代中国医学を基本とする考え方で、日本の民族、風土の影響の下で独自に発展し、実践されてきた自然哲学に基づく医学/薬学/養生学のシステムです。 病気にならないこと、すなわち✳︎自然治癒力を高めることを第一に考えることが特徴です。(✳︎も

          休養生②

          スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツをはじめとする著名人やアスリートなど、世界中で瞑想や※マインドフルネスメディテーションを生活に取り入れている方が多くいらっしゃいますが、瞑想とは一体何でしょうか。 その定義はとても難しいものですが、漢方では"気の流れを整える呼吸と意識のトレーニング(気功)と同様です。 ここでは"意識(五感)を外部から遮断して、自分自身の内側に集中し続け、マインド(頭)とハート(心)が鎮静していく様子を体験すること" としておきます。 瞑想を始められた方か

          休養生①

          養生(命を養う行い)には様々なジャンルがありますが、今回は休む養生=『休養生』についてお伝えします。 休養生とは休息と活動のバランスを考えて生命を養うことです。 休息(陰)を充実させることで心身が回復し、蓄えられたエネルギーが活動(陽)へ注がれます。冬(陰)は蓄えの時期ですから頭も身体も活動しすぎず、積極的に休むことが大切です。 さて、休息の要である『睡眠』とは何でしょう。 脳の疲労を回復させるため/記憶の整理をするため/身体を休ませるために眠ることを言います。 私たち人

          冬病夏治〜冷え性は夏治そう〜

          【立秋】が過ぎました。 暦の上では秋となり、これからは少しずつ涼しくなりますが、まだまだ暑い日が続きますね。 漢方には「冬病夏治(トウビョウカチ)」という言葉があります。 冷えが原因でかかる冬の病気を、陽気が盛んな夏のあいだに予防・治療するという意味です。 中医学では、夏は自然界の陽のエネルギーが強くなる季節であり、自然界の一部である人体の陽のエネルギーが上昇して気が充満し、秋冬の寒さに対応できるように準備する期間と考えます。 冬になると「虚弱で風邪をひきやすい」「胃腸が

          冬病夏治〜冷え性は夏治そう〜

          食養生②

          時間に追われ、日々忙しく生きる私達は、食事にかける時間が短いことがほとんどです。 パンやパスタ、やわらかい食べ物が増えるなどして食生活が変化し、現代人は「噛むこと」が減りつつあります。 また、スマホやTVを見ながらの"ながらぐい"は心がここにありませんので満腹感を得にくく肥満にもつながります。 心の安定に欠かせない脳内物質に"※セロトニン"がありますが、その分泌を促す方法の一つとして、「噛むこと」があります。 一定のリズムで同じ動きを繰りかえす運動を「リズム運動」といい、セロ

          食養生①

          こんにちは。 猛暑が続いていますが、皆さん食欲はありますか。日々どのようなものを食べていますか。ジュースやアイス、そうめんなど、冷たいものばかり摂っていませんか。 今月は食養生についてお話しします。とても大切なことです。 養生=命を養う行いと8月の心養生でお伝えしましたが、 食養生とは、食物の性質や効能を活かし、病気の予防や健康増進を、食事を通して図ることをいいます(ちなみに食療とは食物と生薬の性質や効能を活かし、病気の補助治療や回復を食事を通して図ることを言います)。 意

          〜邪気・『内因(ないいん)』〜

          蒸し暑い日々が続いていますがお元気ですか? 病気になる原因をお伝えしていますが、 今回は『内因(ないいん)』です。 昔から『病は気から』という言葉がありますが、気持ちの持ち方と理解されている方も多いのではないでしょうか。 実はこの言葉の語源は、中国最古の医学書『黄帝内経素問(こうていだいけいそもん)』にある「百病は気に生ず」と言われ、 ここで表す「気」とは、気血水の気です。 「気」とは目に見えないものですが、全身を巡っているもので、生命を維持するための重要なエネルギーです

          〜邪気・『内因(ないいん)』〜

          〜邪気・『外因(がいいん)』〜

          突然ですが、皆さんがご自身の健康を意識するのはどのようなときでしょうか? 元気にスポーツを楽しんでいるときや、精力的に仕事をこなしているとき、 美味しい食事をいただいているときなどに意識する方もいるでしょう。 その一方で、病気や体調不良に陥ってしまったときに健康の大切さを実感する方も多いのではないでしょうか。 先日お会いした方の話しです。 「去年の夏は、暑さと冷房で夏バテして大変だったから今から何か出来ることはないかと思って...今年も猛暑になりそうですものね」と仰りました

          〜邪気・『外因(がいいん)』〜

           〜正気と邪気〜

          陽気が盛んになり、日中は蒸し暑いので早朝のお散歩が気持ち良いですね。 「元気」があれば....からだ中に生命力が満ちあふれ、思考も明瞭で、日々快適に過ごすことができますね。 漢方ではこの良い気のことを「正気(せいき)」といい、臓腑、経絡、気・血・水などの人体の機能活動や自然治癒活動など、生命力すべてをさします。 体内の機能を正常に保ち、不調が起きても回復出来る能力で、健康な体は正気が充実していると考えられます。 この正気に対して「邪気(じゃき)」がありますが、不調を引き起

          『気血水論⑤』〜水滞とは〜

          水(すい)は血液以外の体液です。体に潤いを与え、不要なものを排出していますが、水滞とは「水の流れが滞っている状態です」 主な症状は 身体が重くだるい/むくみやすい/吐き気やめまいが起きる/胃腸が弱く軟便・下痢傾向/雨の日に体調が悪い/鼻水や痰が多く出る/朝手指がこわばる/ジュクジュクした湿疹ができる などがあります。 水滞の原因は水分のとり過ぎと水分代謝の低下です。 仕事中のコーヒーやエナジードリンク、食事中のお茶や水、仕事帰りのビール、また女性に多い美容のためのミネラルウォ

          『気血水論⑤』〜水滞とは〜