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名作。以心伝心

高祖母が娘である
おばあちゃまに
電話をかけてきた

「はい。もしもし」

ちらっとみると
スマホを逆に持ってる

「おばあちゃま、
スマホ机に置いて
ここ押してみて」

高祖母の声が響く

「あのね
テレビに出てた
りゅうちゃんの
読み上げた
市原悦子さんのヤツ
買ってきて欲しいのよ」

おばあちゃまが
すかさず
「あぁあれね
すぐ注文するわ」

電話が切れた

え?

「おばあちゃま?
意味わかったの?」

「えぇわかったわ。
TVCMの読み上げ機能の
名作のやつよ」

凄いね?
それでわかるの?

「んーきっとね
私達の世代なら
知ってるCMだと思うの」

そうなの?

おばあちゃまは凄い
確か
ハルメクという雑誌の時も
高祖母から電話で

「今はやりの
雑誌のテレビで出たやつ
買ってきて」

こんな感じだった

そしておばあちゃまは
絵画教室で描いた絵を
額に入れたので

高祖母のところへ
持参するついでに

商品の
お届け日と時間を
知らせてくると言った

目の前のマンションで
高祖母は
1人暮らしをしてる

高祖母は
60歳になった時に
自分から
1人暮らしすると云って
自宅前のマンションを買って
暮らし始めた
高祖父は自宅に残ってた
往復しながら暮らしてた

2人は何だか
楽しそうだったと
みんなが言う

ボクが知り合ったときには
1人暮らしをなさってて
高祖父は亡くなっていたので
話で聞くだけで
何もわからない

牡丹が咲き誇るかのよな
凛とした美しさの在る
高祖母は
最新のモノに目がない

「小粋」というのは
高祖母の
ためにある言葉に
感じるほど

オシャレというのか
センス良く
何も無くても
心豊かな
暮らしをしてる

娘である
おばあちゃまは
お茶を淹れながら

「母のようになりたい」って
幼い頃から憧れてるけどね
ちっとも追いつかないわ

と、もらす

あうんの呼吸で
「つ」と「か」で
会話しながら

別々に暮らすその意味は
互いを尊敬し邪魔しない
そのためだといった

人は1人では
生きられないけど
自分の時間と
自分の空間は大切

誰かに
何かしてもらのではなく

自分で何でも
身の回りのことを
することが
若さの秘訣

高祖母がボケたり
痴呆にならないのは
そのせいかもしれない


今日も雨の昼下がり
目の前のマンションへ
訪問し
おばあちゃまの
高祖母への
介護を眺めながら
過ごした

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できることが
できなくなって
哀しくなる必要は無い

できなかったことが
できるようになるひとが
増えてゆくのだから

子育てで
できるようになる
姿をみるのは
子供を持つ人だけ

介護で
できなくなってゆく
姿をみることができるのも
介護をしてるひとだけ

できなくなることは
悪い事じゃない

だれだって
できなくなるんだ

キミもボクも
同じ人間なんだもん

それじゃ
またあした


いつもありがとう
とても感謝しています


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伊藤ぱこ
読了ありがとうございます 世界の片隅にいるキミに届くよう ボクの想いが次から次へと伝播していくこと願う 昨年のサポートは書籍と寄付に使用しています 心から感謝いたします たくさんのサポートありがとうございました