ゲーマーズブレイン PERT1 脳を理解する 第一回「知覚」
どーも、オハコンバンニチワ。パチ太郎です。久々の投稿になります。
今回から数回に分けて、「神経科学からゲームプレイヤーの行動を分析してみよう!」の記事を投稿していこうと思っておりますのでよろしくお願いします。
1.1 脳の仕組みの概要
脳がどのように学習して、情報を処理するのかを図で表します。
1.2 知覚の仕組み
つまり、知覚とは、過去や現在の経験に影響を受けてしまう、主観的な心の構成概念のことを指します。
知覚の1つである「視覚」を例に説明していきます。
ステップ1:感知
空を見上げて星を眺めるとき、目に入ってくるもの「明るさ」、「方向」などはすべて物理的情報です。まず、その情報を感知します。
ステップ2:知覚
脳が感知した情報を処理して意味あるもの、「整理」するのが知覚です。
グループ化され、意味ある形になります。
ステップ3:認知
ステップ2での意味ある形へアクセスして知識に変換する作業がここで行われます。
「知覚」した際にどの星座が図1.3の形をしているか知っていれば自分が、かに座を眺めていると理解できます。
以上の処理はボトムアップ(感知▶知覚▶認知)で行われているように思えますが、トップダウンで行われることも少なくありません。(図1.5の赤矢印)
1.3 人の知覚の制限
先ほどから触れている通り、人の知覚は非常に主観的です。つまりすべての人が同じように知覚するとは限らないのです。
図1.6の例を見てみましょう。何に見えますか?
「ボーリング調査?」、「ランダムな色の重なり?」...
正解は...ストリートファイターのキャラクターでした。(笑)
知覚は事前知識によって影響を受けます。今回ストリートファイターへの親しみ度合いが高ければ即座に回答できたでしょうが、
知らない人にとっては別の何かに見えたはずです。
ゲーム開発者は、自分たちと同じように状況や環境を知覚する少数派の人たちだけでなくすべての人たち(ターゲット)の知覚も頭に入れておく必要があります。
知覚は主観的であり、個人の体験、期待、文化などに影響されます。
従って、ゲームで使うビジュアルなどをデザインするときは知覚の特性を頭に入れておくことが大切です。
1.4 ゲームへの応用
これまでの話を踏まえてゲームを効率的にデザインするための適応例を紹介していきます。
1.4.1 ユーザーを知る
事前知識、予期、プラットフォームなどがプレイヤーの知覚に影響を及ぼします。
ターゲット層がどのようなビジュアル、シンボル、オーディオ、プラットフォームに慣れているのか調査する必要があります。
前提とするプレイヤーを考慮できていれば知覚バイアスによる問題を解決できる可能性は高いです。
マーケティング部署があればペルソナ手法を使ってターゲットユーザーに見立てた「目標」「好み」「期待」「行動」を特定していくことができます。
※ユーザーを知れば知るほどユーザーが自分のゲームをどのように知覚するのか予測できるようになります。
1.4.2 イコノグラフィーをテストする
ゲーム開発者がどれだけ高い共感力を持っていても知識バイアスの呪縛を完全に解けるわけではありません。
開発者はあまりにもゲームについて知りすぎているためバイアスから逃げ出すことは難しいでしょう。
解決方法2つはあります。
① ゲーム初心者にテストプレイを頼む
② ゲーム内で使用するアイコンなどを人に見せて何を表しているかアンケートを取る
1.4.3 ゲシュタルトの知覚の法則を使用する
この理論を用いると、UIとHUDの構成を向上させることができます。
まずは避けるべき表現の紹介からしたいと思います。
以下の2種類の画像のような表現は避けるべきです。
「人によって見え方が変化してしまうような曖昧なUIを使用しないようにしましょう!」ということです。
利用できる表現
1.4.4 アフォーダンスを使用する
視覚に関する話で、視覚には2つの機能があります。
① 対象物を識別すること
② 視覚的にアクションを特定すること
(例)
テレビのリモコン
① 見ただけでリモコンだとわかる
② 説明されることなく見ただけでボタンを押せばテレビがつくとわかる
これはゲームを直観的に操作できる、使いやすさの部分に強く影響してきます。
終わり
ここまで見ていただきありがとうございました。
次回は「記憶」について話していきたいと思います。